自民党「SNSと選挙」議論、偽情報飛び交い「あるべき姿から大きく逸脱」…法規制も視野
SNS上の真偽不明な情報などが選挙結果に影響を与えかねない問題を巡り、自民党は17日、選挙制度調査会(逢沢一郎会長)などの合同会議を開き、対応策の議論に着手した。公職選挙法改正などの法規制も視野に入れつつ、慎重に検討を進める方針だ。 【グラフ】世論調査の結果
逢沢氏は会議で、選挙期間中にSNS上で偽情報などが飛び交った兵庫県知事選に触れ、「公明正大な、あるべき選挙の姿から大きく逸脱している」と指摘。「重大な関心を持って必要な措置を講じなければならない」と語った。
選挙に関するSNS規制を巡っては、石破首相も対応を検討する考えを示しており、逢沢氏は会議後、記者団に「国民の混乱が現実のものになっている。なにがしかの対処方針、方向性を見いだしたい」として、来年夏に行われる東京都議選や参院選を見据えて結論を得たい考えを示した。
この日の会議では、総務省が現在の法制度のほか、SNSが投稿者の収益につながる仕組みなどを説明した。動画配信サイトなどでは、視聴回数が多いほど投稿者の報酬が増えるのが一般的だ。この構造が、注目を浴びる選挙に関連する動画が、内容の真偽にかかわらず拡散されたり、内容が過激化したりする要因になっているとされる。会議の出席者からは「選挙運動を素材にして収益につなげることは大きな問題だ」との意見が出された。
一方、具体的な法規制に向けては、憲法が保障する「表現の自由」との兼ね合いや、偽情報や誤情報と判断する方法など、越えなければならないハードルも多い。今後の議論では、公選法改正だけでなく、SNSを運営するプラットフォーム事業者に対し、偽情報の投稿の削除を義務づけるなどの規制が検討課題に上る可能性もある。