広島・高橋 先発再挑戦あるぞ 紅白戦2回零封に新井監督「もっと長いイニングも見てみたい」
◇広島紅白戦 白組2―1紅組(2024年11月6日 天福) 広島は6日、秋季キャンプ第1クール3日目に初めて紅白戦を実施した。白組で先発した高橋昂也投手(26)が2回1安打無失点と好投。新井貴浩監督(47)は「もっと長いイニングも見てみたい」と絶賛した。今季は救援に専念し、最終戦でプロ初セーブをマークした左腕に、先発再挑戦の可能性が浮上。9年目を迎える来季に向け、期待を抱かせる内容だった。 逆襲に燃える高橋が新井監督をうならせた。今季は救援に専念してきたが、慣れ親しんだ先発で2回1安打無失点と躍動した。 「変化球の腕の振りは良かった。あとは打者が打つカウントの真っすぐで、ファウルや空振りを取れて、カウントの取り方は良かった」 初回は先頭の佐藤を二ゴロ。続く二俣も中飛に抑えると、末包を空振り三振に仕留めた。この日、直球の最速は145キロで、カットボール、フォークなどを織り交ぜてアウトを重ねた。2回は2死から中村健に左前打、ラミレスに四球を与え、2死一、二塁としたが、石原を左飛に抑えた。投球をバックネット裏から見守った新井監督は「真っすぐに力があるし、カットボールが特に良かった。曲がりも遅いし、いい投球だった」と絶賛した。 今季はウエスタン・リーグで32試合に救援して3勝2敗、防御率3・19。最終戦の10月5日ヤクルト戦で3年ぶりに1軍登板を果たすと、プロ初セーブをマークし、来季へ弾みをつけた。そんな左腕も、21年には先発で5勝を挙げた過去がある。起用法について問われた指揮官は「それ(長いイニング)は(視野に)入ってくる。いろんな球種もあるし、あれだけのものを見せてくれたら、もっと長いイニングも見てみたい」と先発再挑戦を示唆した。この言葉を伝え聞いた高橋は「そういうのがあるとしたら、一生懸命やりたい」と意気込んだ。 今季は気持ちの変化がパフォーマンスに大きな影響を与えた。「技術的に特に変えたところはないが、あまり考えなくなった。悪く言えば、ただ投げているだけ。良く言えば、無心」。結果を意識せず、目の前の打者に自分の球を投げることだけに集中し、安定した内容につながったという。 この日の登板後には黒田博樹球団アドバイザーからも助言を受けた。「“長い回を投げるなら、こういうことをする”と(話をしてもらった)。ボールの使い方は細かく言ってもらいました」と高橋。今秋は直球とカットボールのコンビネーションを意識し、技術向上を図る。巻き返しを期す9年目の来季へ期待が膨らむ。 (長谷川 凡記)