谷亮子と因縁「福見友子」の教え子が大活躍 コーチとしての評判は「根性論ではなく理論派で、今の時代に合っている」
柔道のグランドスラム東京大会が行われ、男女各7階級のうち、男子100キロ級を除く全階級で日本勢が金メダルを獲得した。 【写真をみる】いまと雰囲気ちがう! 「福見友子」現役時代の姿 ***
注目は、女子軽量級でのJR東日本所属選手の躍進だ。48キロ級で古賀若菜(23)、52キロ級で大森生純(きすみ・24)が優勝を飾った。 スポーツ紙記者いわく、 「福見友子監督(39)の指導力のたまものでしょう」 福見が名をはせたのは、2008年北京五輪柔道女子48キロ級の代表選考のことだった。試合で谷亮子を破ったにもかかわらず、谷の実績が重視され、代表落ち。この裁定は国民的議論を巻き起こした。 その後、谷は引退。福見は、12年ロンドン五輪で出場を果たすも、熾烈(しれつ)な代表争いで燃え尽きたのか、本番ではメダルを逃した。
根性論ではなく理論派
引退後ほどなくしてJR東日本のコーチになり、22年春から監督に就任している。 評判は、 「根性論ではなく理論派。言葉は丁寧で、今の時代に合っている。いろんな経験をしている人ですから、メンタル面の指導にも定評があります」 何の因果か、教え子の古賀と大森も、かつての自身と同じく、絶対女王を追う立場にある。 「48キロ級には、先のパリ五輪で金メダルを獲得した角田夏実(32)が君臨しています。古賀は1回も勝ったことがないですが、年齢的には上り坂と下り坂。3番手も大きく引き離している。ただ角田は、選手寿命が長い寝技系の選手。“五輪金”の実績もありますしね」 52キロ級には阿部詩(24)がいる。 「パリでこそ不覚を取りましたが、実力は国内外で圧倒的です。ただ福見さんは、全日本のコーチとして詩についていたことがあるので、彼女の強さも弱さもよく知っています」 そんな福見監督の座右の銘は「意志あるところに道がある」だそうである。
「週刊新潮」2024年12月19日号 掲載
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