【寝不足大国ニッポン】睡眠に関する“ウワサ”の“ウソ・ホント”を徹底解説「寝る前はシャワー?」「睡眠には夕食が大事?」
日本人を長年、悩ませている「睡眠」。 パナソニックが2024年の夏に行った調査では、「睡眠に満足しているか」という問いに対して、“満足していない”と答えた人が約7割にのぼることが明らかになりました。 【写真16枚】睡眠に関する“ウワサ”の“ウソ・ホント”を徹底解説 画像で見る さらにOECD(経済協力開発機構)の調査によると、日本人の1日の平均睡眠時間は、7時間22分と、調査した国の中で最下位。 そんな、「寝不足大国ニッポン」で、街の人々が気にしていたのは、さまざまな“眠りのウワサ”について。 「めざまし8」では、日本唯一のスリープトレーナーで、パリ五輪出場選手や、メジャーリーガーなどの睡眠を指導するヒラノマリさんに、そんな睡眠に関するウワサの“ウソ・ホント”を伺いました。 倉田大誠アナウンサー: 今回「睡眠のウワサ」の真相をお伝えする前に、皆さんに覚えておいてほしい言葉が2つあります。 まず1つ目が「深部体温」。普段、体温計で測る表面温度の「皮膚温」ではなく、脳や内臓など体の内部の体温のことを「深部体温」といいます。これが下がることで眠くなり、十分下げることでよく眠ることができます。 2つ目が「交感神経・副交感神経」です。交感神経は「活動モード」で、脈拍が早く血圧や体温が上昇、呼吸も早く筋肉も緊張している状態。副交感神経は「休憩モード」で、脈拍はゆっくり、血圧や体温が下降し呼吸は遅く、筋肉もゆるんだ状態です。 熟睡するためには、この「副交感神経」をより高める必要があるんです。
これってウソ?ホント?睡眠のウワサ
ウワサ「横になるだけで睡眠の効果がある」 答えは…【ウソ】 眠らない限り、睡眠負債は改善されない。横になることで、内臓に行く血液量が増えるため体自体は休まるが、睡眠不足が解消されることはない。 ウワサ「寝る前はシャワーがいい」 答えは…【ホント】 深部体温が下がるときに寝るのがベスト。帰りが遅いときはシャワーがベスト。 深部体温は下がるまでに約90分必要なため、寝る直前に湯船につかってしまうと、深部体温が上がりすぎてしまう。かえって寝不足のもとに…。 スリープトレーナー ヒラノマリさん: 時間があるときは、お風呂にゆっくりつかって深部体温を上げてそのあと急に下げる。入浴することで一気に深部体温が上がり、その反動でガンと深部体温が下がるので、そのときは眠りに入りやすいのですが、そこまでに約90分かかるんですね。 忙しいときや仕事が終わってすぐ寝なきゃいけないというときは、シャワーで済ませた方が眠りやすい体になります。 ウワサ「寝る前に牛乳を飲むといい」 答えは…【ホント】 牛乳には、神経を沈静化させ睡眠を促進する働きをする「オピオイドペプチド」や、精神を安定させて副交感神経を優位にする「カルシウム」が含まれており、快眠に導いてくれる。 ただし、熱すぎたり、冷たすぎると交感神経が優位に働き、逆効果になる。 ウワサ「いびき防止には横向きの姿勢がいい」 答えは…【ホント】 いびきが気になる人は、体の右側を下にして寝るのがいい。 あお向けで寝ると重力により舌が喉をふさぎ、気道が狭くなる。横向きで寝ると、気道が確保されいびきが軽減される。 食後すぐ寝てしまう人も、横向きで寝ることで胃の消化がよくなり、自律神経に負担がかかりにくい。 ウワサ「悪夢にはデメリットしかない」 答えは…【ウソ】 悪夢を見ることで、ストレス耐性が高まりメンタルケアに役立つ可能性。 海外では悪夢をあえて見させることによって、PTSDを予防できないかという研究も。 ウワサ「睡眠には夕食が大事」 答えは…【ウソ】 大事なのは「朝食」。朝食で何を食べるかが、夜の睡眠を左右する。 朝に「トリプトファン」が多く含まれる大豆製品や穀類・卵などを取ることで、16時間後に睡眠を促すメラトニンに変化する。 ――ヒラノさんは寝るときに何かこだわりはあるのでしょうか? スリープトレーナー ヒラノマリさん: 私は真夏でも長袖長ズボンのパジャマを着て寝ていて、自分でも商品開発しているくらいパジャマにすごくこだわりがあるんです。 深部体温、脳と内臓の温度が下がらないと寝付きにくいということがありますが、長袖長ズボンのパジャマを着て、汗を吸ってあげないと深部体温って下がらないんです。 一晩でコップ一杯分の汗をかいていると言われているので、こちらの方が涼しく寝られます。(素材は)綿がオススメです。シルクでも大丈夫です。 (『めざまし8』 2024年9月3日放送より)
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