「一目惚れだった」元オウム幹部と獄中結婚 なぜ決意?触れ合えない愛の形は?「(獄中結婚は)最大の愛情表現だと思っている」
■7年間の獄中結婚生活
由紀さんの7年間の結婚生活は、拘置所に行き面会申請し、受理されたら指定の部屋で約30分間の面会(平日のみ)。アクリル板越しで横には常に刑務官がいる。夫とは世間話だけでなく修行することもあった。差し入れたものはチョコレート菓子、お金、洋服、本。思い出は、2人でいつも笑い合ってたこととプレゼント。 由紀さんは「結婚して、すぐ東京に引っ越して、月曜日から金曜日まで会いに行っていた。働きながら、合間を見て週5で行くって決めてた」。 面会での話す内容には制限があったのか。「特にされてなかった。すごく好きだったので、もう刑務官が横にいてもいいと感じてた」と答える。また、修行をすることで「公安の人から常にマークされていた」という。 しかし、死刑執行の直前に「1回、麻原と呼び捨てにした。驚いたが、夫の日記を見た時に、 もう信仰心がなくなったことがわかった。だから、自分も自然と信仰心がなくなった」。 信仰心がなくなったことについては、「図書館から本を借りてきてほしいと言われて、仏教に関する本を差し入れした。かなり読み込んでいたから、最終的に信仰心もなくなったんだろうなと思ってる」との考えを示す。 新実智光元死刑囚は執行の日を「すごく不安がってた」。当日は事前に知らされず、「『今朝、ご主人の刑を執行しました』と言われた。奥様に伝言があると言われ、それが私に対する感謝の思い、最後の言葉が愛しています、だった」。 その後「葬儀屋の方が『ドライアイスを入れる前に会ってください』と言ってくださった。そのときに会って、触ったらまだ温かかった。初めて触れることができて嬉しかった」と明かした。
■獄中結婚は「最大の愛情表現だと思っている」
由紀さんは地下鉄サリン事件について「完全に間違ってた」といい、「夫は日記にオウム真理教との決別を書いていた。それをブログで公表したら、地下鉄サリン事件のご遺族の方からお電話いただいて、『信仰心がなくなったことを知り、自分は救われた。もうあなたのご主人を恨んでません』と言っていただいたのがすごい嬉しかった」と語る。 当時、獄中結婚をすることに両親は、「母親は号泣して、父親は『確実に ろくなことにならない』と言っていた」。しかし今は「すごく仲がいい」と話した。世間の風当たりについては「そこはちょっと恵まれてて、今も学生時代からの友人ともすごく仲いい」。 獄中結婚の主なメリットは、受刑者側にとっては面会できるようになり、心の拠り所が作れること。また、事件の真相究明の一つの手段になることや罪と向き合うきっかけにもなり得るともいわれる。 由紀さんは「女性側にとっては何のメリットもない。稼いでくれない。本当に最大の愛情表現だと思っている」と述べた。 (『ABEMA Prime』より)
ABEMA TIMES編集部