女性トラブル報道の中居正広さん番組休止、フジテレビの対応から業界全体に広がる「不信感」の連鎖…3つのモヤモヤポイント解説
●局の人間が大物と女性の飲み会をセッティング→今でも「あるある」
そして、もう一つは「テレビ業界の体質に対する批判」がさらに盛り上がり、自局に関係する別の問題まで発覚することを恐れた可能性は指摘しておきたい。 フジテレビは否定したが、週刊誌の報道通りであれば「フジの社員が中居さんに女性を上納するような構図」があったという疑惑になっている。 「まだそんなことをしているのか?」と世間から怒りの声が上がる構図である。今回の中居さんの件について私は知る由もないが、ぶっちゃけると、テレビ業界全般では「まだそんなことをしている」のである。 業界に長くいる人間からすると、局の人間が女性と大物出演者との飲み会をセッティングしたり、「二人きりになるよう画策したり」というようなことは、まったく不思議ではないし、その類の話はちょいちょい耳にするものである。 よくありがちな話だからこそ、テレビ局が大々的に取り上げて世論を盛り上げれば、週刊誌によって「自局に関する類似案件」を続報スクープされてしまう可能性がないとは言いきれない。 ワイドショーのプロデューサーであれば「他局が取り上げるまで黙っておいたほうがいい」と考えるはずだ。 言ってみれば「ジャニー喜多川氏による性加害」に各局が沈黙していたときと、ほぼ同じような構図や展開が今回も繰り広げられていると言っても過言ではないだろう。
●フジ以外も一斉に中居さんを出さなくなった理由
第二のモヤモヤポイントは、なぜ各局一斉に「中居さんを出さない」という方向で一致したのかだ。 この理由はほぼ間違いなく「9000万円もの示談金の重さ」と言ってよいだろう。中居さんが何をしたのかはわからない。しかし、報道で示された9000万円もの金銭が女性に支払われたという事実だけは否定されていない。 事実の詳細はわからないが、とにかく「9000万円で何かを解決しようとした」「女性に黙ってもらおうとした」という報道があり、中居さんが否定していないことだけはハッキリした。 中居さんのタレントとしての印象は「かなり黒に近いグレー」で固定されてしまった。「中居さんの出演番組にお金を出したい」というスポンサーも、「中居さんを応援したい」と言ってくれる女性ファンもほぼいない状況になったと思われる。 そのような状況を踏まえて、各局はテレビに出さないという方針にしたのだと考えられる。ダウンタウンの松本人志さんの性加害疑惑を週刊文春が報じた当初の状況に重なる。