浦和サポーターはなぜJの2ステージ制導入に反対の声を挙げるのか
JFAハウスに面する片側一車線の道路には、約20人のサポーターが集結していた。この日、40を数えるJクラブの社長が一堂に会するJ1・J2合同実行委員会が東京・文京区のJFAハウスで行われた。議題が、来シーズン以降のJ1の開催方式などについてであることを知ったサポーター達が抗議のために集まっていた。実行委員会を終えた各クラブの社長たちが帰路につく午後5時前になると、新たな開催方式としてリーグ側から提示されている「2ステージ制」に反対する横断幕をいっせいに掲げた。 横浜F・マリノスがJリーグから消える? 負債6億円超 「世界基準からかけ離れた2ステージ制へ そこに日本サッカーの未来はあるの?」 「大切なのは金かFOOTBALLか」 「歴史に傷つけるふざけた策に徹底してNO!」 そのほとんどが、実は浦和レッズのサポーターだった。中野区在住の大学生(22)はサポーター歴10年目。ツイッターを通じて「今日の会議で2ステージ制導入が決まるらしい」という情報を得て、「一番速く情報を得るにはここしかない」と、午前8時に一番乗りでJFAハウス前に駆けつけた。 「2ステージ制はフェアじゃない。第1ステージで優勝したチームが、チャンピオンシップへ備えて第2ステージで力を抜く可能性もある。それでは不公平。チャンピオンという言葉が、2分の1の重さになってしまう。年間を通して最も多く勝ち点を獲得したチームが王者になってこそ価値がある。5月に2ステージ制になるという記事を読んで、それはまずいとずっと思っていた」 午後1時にJFAハウス前に駆けつけたさいたま市在住の会社員(29)は、「他のクラブのサポーターがいないのが不思議」と首をひねりながらこう続ける。 「自分たちはレッズに対して、Jリーグに対してサッカーに対して常に真剣に考えている。自分たちの生活の一部になっているJリーグが、議論がないまま突発的に変わろうとしている点に危機感を覚えている。2ステージ制は持って2、3年だと思う。何かのアクションを起こさないといけない。自分たちはここに問題を起こしに来たわけではない。ただ、心の中で思っていても口に出さないと、行動に移さないと何も伝わらない。僕らはそれをやっているだけなんですけど」