浦和サポーターはなぜJの2ステージ制導入に反対の声を挙げるのか
6月23日に行われたセレッソ大阪とのナビスコカップ準々決勝第1レグで、レッズサポーターは敵地の長居スタジアムにこんな横断幕を掲げた。 「オレたちは2ステージ制に反対。おたくはどない?」 1週間後に埼玉スタジアムに場所を移して行われた第2レグでは、セレッソサポーターで埋まったゴール裏にこんな横断幕が躍った。 「セレッソファンも2ステージ制に反対!」 この横断幕はレッズサポーターに手渡され、J1が再開された6日のヴァンフォーレ甲府戦後に国立競技場のゴール裏を埋めた、2ステージ制反対を唱える横断幕の一部になった。 同じような光景は、規模こそ小さかったものの、6日のベガルタ仙台や大宮アルディージャ、アルビレックス新潟のホームスタジアムでも見られた。2ステージ制反対のうねりは、各クラブのサポーターに伝わりつつある。その先頭にレッズサポーターが立っているのは、なぜなのか。 レッズがJ2を戦った2000年からのファンという前出の会社員は、クラブとの対話の歴史を理由に挙げる。 「レッズはめちゃくちゃ話を聞いてくれるクラブ。上も下もなく横の関係、トゥゲザーという感じで風通しもいい。だから時にはぶつかってもきた」 浦和レッズというチームを心から愛するがゆえに、忌憚なく意見を伝える。レッズのない人生は考えられない。レッズとともにサポーターも成長してきたという自負もある。今現在においては、浦和レッズがJリーグに変わっただけ、と言いたいのだろう。 「Jリーグとサポーターは持ちつ持たれつの関係だと思う。Jリーグあってのサポーターであり、サポーターあってのJリーグなのに、今回の問題においては両者の間に距離が生じてしまっている」 実行委員へのアピール行動も事前に示し合わせたのではなく、レッズサポーターが三々五々に集まった結果だという。ゆえにお互いに面識があるサポーターも少なかった。JFAハウス前に掲げられた横断幕は、6日のヴァンフォーレ戦でも使用されたものだ。