「スーパー マリオパーティ ジャンボリー」レビュー
任天堂が10月17日に発売するNintendo Switch用パーティゲーム「スーパー マリオパーティ ジャンボリー」。 【画像】お馴染みのマリオから…… 「スーパー マリオパーティ ジャンボリー」は、2021年に発売された「マリオパーティ スーパースターズ」に続く、Nintendo Switchで発売される「マリオパーティ」シリーズの最新作となる。 本作は「マリオパーティ」シリーズの中では最大のボリュームとなっており、ミニゲームは112種類、ゲームモードは8つあり、中には20人で競い合うオンラインモードなどもある。もちろんCPU対戦や、オンライン対戦などにも対応しており、周囲にプレイしている友達がいないという人でも、手軽に大人数でのパーティゲームを楽しめるようになっている。 前作「マリオパーティ スーパースターズ」との大きな変更点は、やはり収録ミニゲームの多さにある。ルールは前作からあまり変更がなく、シンプルなスゴロクゲームスタイルで、キャラクター固有サイコロなどもなし。ミニゲームでの勝敗がスゴロクの勝敗にも大きく関わってくるようになっている。 本稿では、「マリパ」ファンたちが楽しみにしている新たなミニゲームたちはもちろんのこと、本作から新たに「マリパ」の世界に触れてみたい人たちにもぜひご一読いただきたい、「スーパー マリオパーティ ジャンボリー」のレビューをお届けする。 ■ まずは自分のキャラクターを決めよう 本作の舞台は、「スゴロクの島」、「体感パーティの島」、「クッパチャレンジの島」など、様々な島が点在している「リゾートアイランド」。プレーヤーはまず、22体のプレイアブルキャラクターの中から好きなキャラクターを選び、そのキャラクターで「リゾートアイランド」を旅することになる。 選べるキャラクターは、マリオ、ルイージ、ピーチ、デイジー、ワリオ、ワルイージ、ヨッシー、キノピコ、キノピオ、ロゼッタ、ドンキーコング、キャサリン、クッパ、クリボー、ヘイホー、ノコノコ、チョロプー、クッパJr.、テレサ、ガボン。あとは隠しキャラクターとしてポリーンとハックンがいる。 スゴロクでも、基本的にここで選んだキャラクターを使用することになる。なので必然的に長時間付き合うことになる。筆者のように「頑なにロゼッタしか使わない!」という、こだわりが強いキャラクター選びはもちろんのこと、例えば「容姿や雰囲気が自分とどことなく似ている」キャラクターを選んだり、あまり他の人が選ばなさそうなキャラクターを選んでキャラ被りをさける、というような選び方もあるだろう。 なお、1度キャラクターを選択した後、もしもキャラクターを変えたい場合はゲーム進行度を最初からにするしかないようなので、注意したいところ。スゴロクを1回プレイするだけでも約90分ほどかかるため、「とりあえず」程度の気持ちで選ぶよりも、ここは最初からしっかり考えて選ぶことをおススメしたい。 ■ 「マリオパーティ」と言えば、やはりスゴロク! 「マリオパーティ」の定番といえば、4名で競い合う「スゴロク」モードだ。今回の「スーパー マリオパーティ ジャンボリー」では、各モードが「島」で表現されており、「スゴロクの島」で定番モード「スゴロク」を遊べる。世界中の人たちとのオンライン対戦も可能だ。 「スゴロク」の基本的なルールは、決められたターン数の中で、ライバルよりも多くの「スター」を集めた人が勝利するというもの。各エリアのどこかにある「スター」をコイン20枚と交換して集める、というシンプルな内容だ(スターの所持数が同じ場合、コインの所持数で勝敗が決まる)。 初期で遊べるスゴロクのコースは「巨大ハナチャンとお菓子の森」、「サイコロスピードウェイ」、「クリボーアイランド」、「わくわくショッピングモール」の4つで、そこに特定の条件を満たすことで、さらに「クッパのデンジャラス・ベース」や「マリオのレインボーキャッスル」、「ウエスタンランド」と3つのコースが追加される。 「マリオのレインボーキャッスル」と「ウエスタンランド」は過去作からのリメイクで、その他5エリアが新エリアとなっている。 これら、スゴロクの島で遊べるエリアはいずれも楽しい仕掛けが満載となっており、そして各プレーヤーの行動で様々なハプニングが起こり、いきなり大逆転! ……なんていう、運要素高めのパーティゲームとなっている。 スターは誰かが取得するたびに配置が変わってしまうので、あと1マスでスターだったのに、後ろから追い抜かれたプレーヤーにスターを取られて場所が変わってしまう、なんてことは、ままある。 スゴロクなので、基本的には順番通りサイコロを振り、出た目によってマスを進むのだが、各マスには様々な効果がある。シンプルなマスは、止まったらコインがもらえたり、逆にコインを失うようなマスもある。 そして一巡終了するごとに必ず、4人で戦うミニゲームが発生。このミニゲームにはJoy-Conを使用する体感ゲームと、シンプルなコントローラ操作だけで行えるゲームがあり、スゴロクを始める際の設定でどのようなミニゲームを入れるかを決めることができる。 基本的にはルールで終了ターン数を10ターン未満には設定できないので、最低10回、サイコロを振って、ミニゲームを楽しんで……を繰り返し、規定ターンの終了後にスターを一番多く獲得していたプレーヤーの勝利、となる。 ……が、ここで事前に設定しておいた「ボーナススターの有無」が関係してくる。ボーナススターとは、最後の最後で「●●のマスに多く停まったプレーヤー」や、「アイテムをたくさんつかったプレーヤー」など、その時々によってボーナスの内容が変わるのだが、ボーナスに当てはまったプレーヤーはスターをひとつもらうことができるのだ。スゴロクだけではスターの数が負けていたが、このボーナススターで一気に逆転、なんてこともある。最後の最後まで結果がわからず、盛り上がる要素だ。 という、ここまでがスゴロクの基本的な遊び方である。 10ターンに設定すると、プレイ時間は多少の前後はあれど、大体90分ほど。結構長いのだが、意外とあっという間に90分経ってしまうような時間泥棒ゲームだ。 しかし、やはり90分は長い……、という時には、「ミニゲームハーバー」という、とことんミニゲームを遊べるモードもある。 ■ ミニゲームハーバー ミニゲームハーバーは、とことんミニゲームだけを遊べる島だ。オフラインでの4人までの対戦も可能だ。 ミニゲームは前述の通り112種類もあるので、様々なミニゲームで遊ぶことができる。そんなミニゲームたちを、いくつか紹介していこう。 □「いろいろスタンプ」 まず、「いろいろスタンプ」。4人でひたすら白い画用紙の上にスタンプをペタペタ押していき、一番広いエリアを塗った人の勝ち。連打力が試されるミニゲームだ。 □「ギリギリペンタロー」 「ギリギリペンタロー」は、氷の上をソリで滑り、ここぞというタイミングで手を放す。崖から滑り落ちてしまったら負け。崖までの距離が近い人の勝利だ。どれだけ崖のギリギリまで迫れるか、運要素も強いがお手本のキノピオたちがどこらへんで手を放しているかをよく見るのも重要。 □「DKのグルーヴコンガ」 「DKのグルーヴコンガ」はドンキーコングの鳴らすリズムにあわせてコンガを叩く、リズムゲーム。LRボタンをリズムに合わせて押せば良いのだが、後半になってくるほどリズムが難しくなってくる。リズム感が試されるゲームだ。 □「トゲトゲプレートバトル」 「トゲトゲプレートバトル」は1対3で対決するゲーム。1人側は上空からタイミングよくトゲトゲプレートを落とし、3人はそのプレートを避ける。タイムアップまで誰かひとりでも生き残れば、3人側の勝ちとなる。 □「森のコインシーソー」 「森のコインシーソー」はシーソーの上でコインを集め、一番多くコインを集めた人が勝ち、というシンプルなゲーム。シーソーから落ちるとタイムロスになってしまうので、うまくバランスを取りながらコインを集めよう。 □「いそいで! キラーわたり」 「いそいで! キラーわたり」は2人で協力してゴールを目指す。ひとりはキラーを撃って足場を作り、もうひとりはジャンプでその足場を渡っていき、早くゴールしたチームの勝ち。これが意外と足場を作る側も難しいし、ジャンプで渡っていくほうもツルリと落下しやすく、難易度が高い。上手く協力していこう。 □「デンジャラスブリッジ」 「デンジャラスブリッジ」は、迫る丸太から逃げながら、橋から落ちないようにゴールを目指すゲームだ。丸太は左右から迫ってきて、足元が見えにくい。簡単なようでいて、あっと気が付いた時には落下してしまう。 □「ボムへいどうかせん」 「ボムへいどうかせん」は2対2で行なうミニゲーム。導火線の火をヒップドロップで消して、ボムキングが爆発するのを防ぐ。思っている以上に、狙った位置にヒップドロップをジャストで落とすのが難しい。3本の導火線からどんどん火花が発生するので、ふたりでうまく分担しながら消していくのがコツ。 □「えらんでブロックロード」 「えらんでブロックロード」は、ブロックを選んで、つなげて、ゴールを目指すゲーム。4つのブロックが表示され、欲しいブロックを選び、そのブロックを欲しいのが自分ひとりだとブロックを入手することができる。しかし自分の道とつながらないブロックは沈んでしまう。うまく道をつなげられるブロックを選びつつ、他の人と被らなさそうなブロックを選ばなければならないという、なかなか難易度の高いゲームになっている。 □「オンオフゴロー」 「オンオフゴロー」は1対3で対決するゲーム。1人側は上でタイミングよくスイッチを切り替えてゴローを下に落とし、3人はゴローを避ける。タイムアップまで誰かひとりでも生き残れば、3人側の勝ちとなる。一見3人側のほうが有利そうに見えるが、ゴローをジャンプで上手く避けないとならないので、意外と難しい。 □「かたむけゴルフ」 「かたむけゴルフ」はJoy-Conを使用する体感ゲーム。ゴルフコースをかたむけてボールをカップにいれるというシンプルルールだが、バンカーにはまるとなかなか抜け出せず、バンカーを避けようとするとボールが落下してしまいやすい。見た目よりもなかなか難しいゲームだ。 □「てらしてイルミネーション」 「てらしてイルミネーション」はJoy-Conを使用する体感ゲーム。ハンドルに見立てたコントローラをぐるぐる回して、早くイルミネーションを光らせたプレーヤーが勝ち! 操作こそシンプルだが、本気でやると腕をなかなか酷使する。それでもついムキになって回してしまうのが、体感ゲームの楽しいところだ。 □「でんげきスペースシップ」 「でんげきスペースシップ」はJoy-Conを使用する体感ゲーム。コントローラを左右にうまく傾けながら、電撃を避けてゴールを目指す。これがなかなかに難しく、筆者は何回チャンレンジしても4人のなかでいちばん最初に脱落してしまうという有様だった。うまくゴールできる人はすごい!? □「ためてたたいて! DIY」 「ためてたたいて! DIY」はJoy-Conを使用する体感ゲーム。コントローラをトンカチのように振り、ぴったりの力加減で釘をどんどん打っていく。ちょっとしか出ていない釘は少しの力で、大きく出ている釘はしっかり力を溜めて打つ、といった風だ。ついついあせって力の溜めが足りず、釘が打ち込めなかったりと、あせることでかえって時間をロスしてしまう。しかし体感ゲームが少々苦手な筆者も、一番プレイしやすいミニゲームだった。 ……と、112種のうちのほんのわずかではあるが、色々とバラエティに富んだミニゲームがそろっている。 例えば「今日は暑いからあまり身体を動かしたくないなぁ」というような日は体感ゲームをオフにすることもできるし、「今日は色々遊びたいかも!」という日は体感ゲームをオンにしたり、ということもできるので、そこは非常に有り難い。 特にミニゲームは、ルールの説明文だけ読んでも「?」と首をかしげることもたまにあり、実際のミニゲームに入る前にチュートリアルでキャラクターを動かして、どういうゲームなのか把握できるのが嬉しい。全員が「OK」ボタンを押すとミニゲームに突入、という作りなので、ルールがわからないままひとりだけ置いてきぼりになる、ということがない。 ちなみにこれらのミニゲームは、もちろんスゴロクにも登場する。スゴロクで1ターンごとにプレイするミニゲームを集めたのが、このミニゲームハーバーだ。 「マリオ」らしいアクションが求められるものか、小さな子供も楽しく遊べるミニゲームまで種々そろっているので、色々楽しんでみてほしい。 ■ ひとり用の「パーティお手伝いの旅」 本作で新たに実装されたのが、「パーティお手伝いの旅」という、ひとり専用で遊ぶストーリーモード的なものだ。パーティお手伝いの旅では、忙しいカメックにかわってマリオパーティの会場の設営を行うことになる。スゴロクの5つのエリアをサイコロなしに自由に歩き回ることが可能で、その道中には困っている人だらけ。 困っている人たちを色々お手伝いするとリトルスターがもらえ、リトルスターを指定された個数集めてくることになる。 例えば「写真が上手く撮れなくて、お手本を見せてほしい」というキャラクターがいたら、ミニゲームで写真を撮影する「みんなでパシャリ」をプレイしてみせて、そこで高得点をあげることでお手本となる……といった風だ。 また道中では、広場を飾る「デコアイテム」がもらえる。 デコアイテムには「旗」や「噴水」など、様々な種類のものがあり、これらを使って色々飾りつけをしていくと、広場が段々とにぎやかになっていく。 リトルスターを集めると新たなコースにお手伝いに出られるようになるので、また引き続き様々なお手伝いをしてデコアイテムを集めにいこう。 ■ 20人でチャレンジする「クッパチャレンジ」や、体感ミニゲームを集めたモードなど、様々! 他にも、Joy-Conを振って様々な体感ゲームを楽しむ島や、オンラインモードの「クッパチャレンジ」など、様々なパーティゲームが楽しめる本作。 特にクッパチャレンジの「クッパアスロン」は20人でゴールを目指して競争するモードだ。みんなでミニゲームを遊び、獲得したコインの数だけコースを進み、最初にゴールした人が勝つ。ちなみに参加人数が20名に満たない場合、CPUが入ってくれるので、いつまでもプレイできない、といった不満がなく遊べる。フレンドマッチは8名まで参加可能で、残り12名はCPUとなる。 さらに、街で暴れまわる巨大なニセクッパを8人で協力して5ラウンド以内に倒す、「クッパバスターズ」などのゲームも充実。街を走り回ってみんなでボムを集め、さらにミニゲームをクリアして強化アイテムなどをゲット。どんどんボムをニセクッパに叩き込むというゲームだ。 他には、マリオで自由に空を滑空できる体感ゲーム(このゲームでは操作キャラクターは強制的にマリオになる)や、リズムにあわせて料理を作る「リズムクッキング」などもある。 様々な島を探索して、色んなミニゲームを楽しもう。 ■ パーティゲームならやはり「マリパ」! さすがパーティゲームの真骨頂とも言うべき、「マリオパーティ」シリーズの最新作だけあって、本作は非常にボリューム満点。 前述の通り、スゴロクの島は1回プレイするのに約90分と少々ボリューミィながらも、実際に遊ぶとあっという間に時間が経ってしまうのが驚きだ。 ミニゲームも色々とそろっており、体感ゲームのオンオフを選べたのがとにかく有り難かった。それでもミニゲームでボタンを連打するなど、老体には少々厳しいゲームもあったが、逆にそういった得意不得意がないと全部得意な人だけがひとり勝ちしてしまうという結果になるので、色んな人が集まってプレイするにはこれくらいゲーム性にバラつきがあっていいように感じられた。 また、なんだかんだと大人と子供が一緒に遊ぶと大人が有利にはなってしまいがちなので、ボーナススターの設定で逆転狙いができるところも良い。大人ばかりで遊ぶときはあえてボーナススターをなしに設定して、実力で勝負といくこともできる。どの世代とプレイする時にでも、設定で細やかな配慮ができ、CPUとプレイするときもCPUの強さを選べるので、「とにかく勝ちたい!」という人も(運にも左右はされるが)楽しんでプレイすることができる。 あまりゲームに興味がない人などでもいきなりプレイできるハードルの低さと、それでいて各ミニゲームはひとつひとつ丁寧に作られておりゲーム好きも大満足という、どちらの層をも納得させるクオリティは、さすがのひとこと。 ひとりでまったりとCPU対戦も楽しめるし、オンラインにつないで世界中のどこかの誰かとプレイしてもいいし、フレンドと遊んでもいいし、家族とわいわいプレイするにもぴったりの一本なのは、間違いない。 ぜひ、この新しい「マリオパーティ」を楽しんでほしい。 (C) Nintendo
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