“身長180センチ”ウクライナ人女性の日本での暮らし。日本では「ヒールを履かない」理由とは
日本で頑張っていたら「#デカ女」ブームが!
――いくらオタクとはいえ、やはり文化や地理的に近い国なども避難先としては考えたんでしょうか。今回も通訳を介しての取材ですけど、日本人はあまり英語できないですし……。 ネトーチカ:開戦直後、地元オデッサから一番近い隣国のモルドバへ避難したんですが、私には合わなかったですね。それから一旦ウクライナへ帰国してからは、日本に避難することだけ考えていました。当時、日本は大学の留学資格を取りやすくして避難するウクライナ人を受け入れていたので、研究生として7~8ヶ月ほど日本の大学に籍を置いていました。 ――あ、そうだったんですか。ちなみにウクライナの大学ではどんな勉強を? ネトーチカ:建築の勉強をしていました。ただ、大学卒業後、ウクライナでも働いていたので、日本でも仕事をしたいという気持ちが強く、ウクライナ支援に力を入れて取り組む企業に就職しました。今も同じ建築系の会社で働いています。 ――日本で頑張っていたら「#デカ女」ブームがやってきたと……。SNSは日本でよく見ていたんですか? ネトーチカ:オタクで友達もいないからSNSはよく見ていましたね。「#デカ女」の投稿が盛り上がっているのを見つけて、ちょうど上野駅の天井に頭ぶつけた体験があったので、「あそこで写真を撮ったらおもしろいかもと。その画像を上げたポストが初めてのバズです。
日本人のキャラをコスプレするのは難しい…
――コスプレ活動はどのタイミングで始めたんですか? ネトーチカ:去年9月、東京ゲームショウで『ニーアオートマタ』の2Bのコスプレを初めてやってみたんですが、狙った感じのコスプレにならず全然ダメでした。今より10キロぐらい太っていたし、最初はみんながコスプレ用のメイクをしているとは知らず、普段のメイクでコスプレしたら、全く思い描いたイメージにはなりませんでした。 ――身長も含めた自身のビジュアルを最初は強み・武器として意識していなかったんですね。 ネトーチカ:上野駅での写真がバズった際に「八尺様(「2ちゃんねる」オカルト板に投稿された高身長女性の妖怪、ルーツは諸説)とかやってみたら?」といった声をSNSでもらい、そこで初めて高身長が自分のアドバンテージだと気づきましたね。試行錯誤の結果、彫りの深い顔立ちの私が日本人のキャラをやるのは難しいということもわかりました。 <取材・文/伊藤綾> 【伊藤綾】 1988年生まれ道東出身、大学でミニコミ誌や商業誌のライターに。SPA! やサイゾー、キャリコネニュース、マイナビニュース、東洋経済オンラインなどでも執筆中。いろんな識者のお話をうかがったり、イベントにお邪魔したりするのが好き。毎月1日どこかで誰かと何かしら映画を観て飲む集会を開催。X(旧Twitter):@tsuitachiii
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