「四股を踏め、腰を割れ。これが楽しめたら横綱になれる」大の里最速Vに師匠・二所ノ関親方がエール
◆大相撲 夏場所千秋楽(26日、東京・両国国技館) 大の里の師匠・二所ノ関親方(37)=元横綱・稀勢の里=が26日、茨城・つくば市内のホテルで行われた部屋の千秋楽パーティー後に取材に応じ、弟子の初Vを祝福した。優勝を決めた阿炎戦はホテルで見守った。午後7時58分、東京・両国国技館から駆けつけた大の里を出迎え、水をつけた師匠は「ホッとしています。(最速Vは)すごいこと。日頃の鍛錬の成果」と、たたえた。 【写真】初優勝を飾り支度部屋で目頭を押さえる大の里 同親方は21年8月に田子ノ浦部屋から独立。その後荒磯部屋から二所ノ関部屋に名称変更。部屋設立からわずか3年で優勝力士を誕生させた。「こんなに早く(実現する)とは思っていなかった」と喜んだ。一方で、番付にはまだ上があり、「発展途上。まだまだこんなもんじゃない」とも言った。大の里に伝えたいことを問われると「四股を踏め、腰を割れ」と即答し、「これが楽しめたら横綱になれる」と背中を押した。 「浮かれるのも今日まで。明日から切り替えて、次の場所に向かってほしい」。弟子も「これからも親方からいろいろと吸収していきたい」と応じた。師弟の絆から生まれた初賜杯は、序章にすぎない。(小沼 春彦) ◆大の里の主な記録メモ ▽初土俵から最速初優勝 7場所目で、幕下付け出しでは輪島の15場所を大きく更新。付け出しを除いても先場所の尊富士の10場所を上回った。 ▽新入幕からスピード優勝 3場所目は佐田の山らと並んで史上3位タイ(1位は両国と尊富士の1場所)。年6場所制となった1958年以降新入幕では佐田の山と並んで2位タイ(1位は尊富士の1場所)。 ▽新小結優勝 1957年5月場所の安念山以来、67年ぶり。 ▽石川県出身力士の優勝 輪島(14回)、1999年名古屋場所の出島(1回)以来で、3人目。 ▽新入幕から3場所連続2ケタ勝利 2017年夏~秋場所の阿武咲以来、2人目。 ▽新入幕から3場所連続三賞 99年初~夏場所の千代天山以来25年ぶり。
報知新聞社