マクラーレン、F1のプロトタイプに3Dプリント部品を積極利用
自動車レースF1のマクラーレンは、プロトタイプ製造において、3Dプリンターを使用した部品が通常の部品より多くなったと明らかにした。F1マシンのフロントウイングは設計、製造、テストだけで1万もの部品が必要である上、多くは使い捨てだ。3Dプリントの活用に当たっては、米国とイスラエルを本拠地とするストラタシス社と提携。廃棄・排出物の削減で、持続可能なプロトタイプ製造に役立つと期待している。 マクラーレンのプロトタイプに搭載される、3Dプリント部品。 F1マシンのフロントウイングは設計、製造、テストだけで1万もの部品が必要。かつ、多くは使い捨てだ。 マクラーレンによると、3Dプリントは廃棄・排出物の削減に役立ち、持続可能なプロトタイプ製造の新時代につながるという。 コメンテーターのジェレミー・ハート氏 「F1は、地球上で最も技術的に進んだスポーツで、廃棄物を削減し、マシンの製造をより効率的にするのは素晴らしいことだ」 ロンドン南西部にあるマクラーレンの本社には3Dプリント専用の研究施設がある。20台以上の機械で、ダクトからボディパーツ、ジグまであらゆるものが製造可能。風洞試験のモデルやプロトタイプも3Dプリントされている。 このためにマクラーレンは、米国とイスラエルを本拠地とするストラタシス社と提携。カーボンファイバーや再生素材などさまざまな繊維でのプリントが可能に。ストラタシスによると、年間に最大9000個のパーツをプリントする。 ヤン・ラグエル上級副社長 「100%再生された繊維をプリントできるようになったのは、業界にとって革命だ。顧客の多くにとっての最優先課題、廃棄物の大幅削減が可能になる」 マクラーレンのティンCOOは3Dプリンティングについて、マシンを製造する上でより効率的な方法でもあると話す。 「わずかな入力で製造でき、大型プリンターで多段階に造形できる。フロントウイングのため多くの部品を組み立てる際、複雑な部品を作るには非常に効率的な方法だ」 F1は2030年までに「ネットゼロ」を目指す。