バイナンスCEO、パレスチナ人の資金を凍結との主張を否定
バイナンスのCEO、リチャード・テン(Richard Teng)氏は、同暗号資産取引所がイスラエル国防軍の要請を受けて全パレスチナ人顧客の資産を凍結したという主張を否定した。 この主張は、ピアツーピアのビットコイン取引プラットフォームNoOnesの創業者兼CEO、レイ・ユセフ(Ray Youssef)氏がXに投稿したものだ。 「FUD」(Fear, Uncertainty and Doubt:恐怖、不確実性、疑念)であると、テン氏はXに投稿し、次のように続けた。 「不正資金に関連する限られた数のユーザーアカウントのみが取引をブロックされた。この件に関して、いくつかの誤った主張が行われている。グローバルな暗号資産取引所として、我々は他のあらゆる金融機関と同様に、国際的に認められたマネーロンダリング防止法を遵守している」 ユセフ氏は投稿の中で、イスラエルのNational Bureau for Counter Terror Financing(国家テロ資金対策局)のポール・ランデス(Paul Landes)氏からのヘブライ語の手紙を翻訳とともに掲載した。 この手紙は、2023年11月1日の差し押さえ命令に対する不服の訴えを却下し、ガザ地区のドバイ・エクスチェンジ・カンパニー(Dubai Exchange Company)から 「あなたのものを含む 」暗号資産ウォレットに資金が送金されたと述べている。 手紙の受取人は特定されていないが、ドバイ・エクスチェンジ・カンパニーは2022年にテロ組織に指定されたと指摘されている。 一般的に、テロ組織は暗号資産を資金源にしていると言われているが、所有者や特定のウォレットを特定することが難しいため、具体的な数字を導き出すことは難しい。 シンガポール政府は7月、一段と多くの暗号資産がテロ資金調達に利用されていることを指摘する一方で、現金や非公式な価値移転システムが依然としてテロ資金のための金融取引の主要な手段であると述べている。 ロイター通信が昨年5月に報じたところによると、イスラエルは2021年以降、テロリストと関係があるとされる190のバイナンスアカウントの資産を押収している。 これは1200人のイスラエル人が殺害され、さらに250人が人質となり、イスラエルがパレスチナに侵攻するきっかけとなった10月7日のハマスによる攻撃以前のことだ。10月10日、イスラエル警察の要請により、ハマスに関連するさらに多くのバイナンスアカウントが凍結された。 米国は10月、ハマスに圧力をかけるために制裁リストを発表したが、その中にはガザで送金やデジタル資産交換サービスを提供し、米国や英国、その他の地域でテロ組織としてリストアップされている企業も含まれていた。 |翻訳・編集:山口晶子|画像:バイナンスのリチャード・テンCEO(Binance)|原文:Binance CEO Teng Rejects Allegations the Exchange Froze All Palestinians' Funds
CoinDesk Japan 編集部