ワコールの売り場方針への反響は「誤解」 試着室での不安の声に広報部が回答「お客さまと販売員の安全確保を従来以上に最優先」
外見や会話内容から総合的に判断
ーーネット上には、身体男性による「女性専用スペースに侵入した際の性的な写真や動画」も多く投稿されています。販売員の方々は店頭にて、「性的な承認欲求や加害が目的の人物かどうか」をどう判断するのですか? 「パートナーやご友人へのプレゼントをお求めいただくことやご一緒に商品を選ばれるお客様、LGBTQ+のお客様などがおられるため、現状、男性の入店制限はいたしておりません。会話を中心とした接客を行い、多様なお客さまが利用しやすい売場づくりに努め、性別にかかわらずお客様からのご要望をお伺いしながら、商品選びのお手伝いをしております。 ただし、フィッティングルームのご利用や、フィッティングルーム内での接客については、外見や会話内容から総合的に判断し、女性だと確認が取れたお客様に限らせていただいております。また、お客様から性別を確認できる書類(マイナンバーカード等)などのご提示があった場合は、その内容を確認させていただき判断いたします。これらの対応は、8月に開示した『多様なお客さまが利用しやすい売場づくりと接客のためのハンドブック』以前からも行っております」
店頭では「販売員の不安」の払しょくを最優先
ーー店頭で身体男性とのトラブルが起きた場合の具体的な対処法や、トラブル予防策を教えてください。 「一人ひとりのお客様により状況は異なりますため、販売員が不安を感じる場合には性別にかかわらず採寸をお断りしたり、ご自身で採寸していただくケースもございます。また、従来、対応困難なお客様・迷惑客への対応マニュアルを運用しています。性別にかかわらず、従業員に危害がおよぶ行為、恐怖や精神的苦痛を感じさせる行動があった場合には、身を守る行動を取るように伝えております。 具体的には、警備員を呼ぶ、周囲に助けを求める、防犯ブザーを鳴らすなどです。店頭の従業員には改めて対応マニュアルについて周知をいたします。販売員の不安払しょくを最優先に、意見を聞きながら多様なお客様がご利用しやすい売場づくりと接客ができるよう、今後の対応をさらに検討してまいります」 ◇ ◇ 株式会社ワコールホールディングス・広報部によると、同社がHPにて発表した『多様なお客さまが利用しやすい売場づくりと接客のためのハンドブック』については、「これまでに頂戴した全てのお声を真摯に受け止め、表現の見直しなど検討を進めてまいります」とのこと。 また、「デパートや小売店などの流通各社様には、改めてワコールから、従来からの方針に変更がないことをご説明しており、方向性についてはご理解いただいております」という。 日本特有のマナーや常識が通用しなくなりつつある昨今。現場の声を活かした安心安全な売り場づくりに期待したい。 (まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・はやかわ リュウ)
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