〈またトラ〉勝利演説の壇上に「アジア系ゼロ」でどうなる日米関係? トランプー石破「5分の電話会談」の内容
トランプ氏の勝利であっけなく幕を閉じたアメリカ大統領選挙。ハリス氏はなぜ敗けたのだろうか? そして、トランプ氏を応援していたイーロン・マスク氏は本当に閣僚になるのか? 選挙当日のニューヨークでの報道や、街の声を現地からお届けする。 【写真】ニューヨークで遭遇したスタンダップ・コメディアンの村本大輔さん
女性支持者たちの涙
最初に、今回のトランプ勝利について、民主党と会派を組む重鎮バーニー・サンダース上院議員が6日付で出した声明を紹介しておこう。 彼は激しい言葉を連ねて民主党を批判している。 「労働者階級の人々を見捨てた民主党が当の労働者階級から見捨てられても、大して驚くには当たらないはずだ」 「民主党指導部が現状維持を是認する一方で、米国民は怒りを募らせ、変化を望んでいる」「彼らは正しい」 サンダース議員にここまで言わせた米・民主党の現状は危ういだろう。 2024年11月6日は自分にとっても忘れられない一日となった。この日にニューヨークで、アメリカが「暗転した」日を目撃できたことはよかった。と言っても、街に出ると通常のまま人々の日常生活は続いていたのだが。 テレビを観ていたら選挙から一夜明け、トランプが当選したことを受けてニューヨーク市民の街頭インタビューを流していた。 ある市民がこう言っていた。「ハッピーではない、予想はしていたけど」。 午後4時からカマラ・ハリスが「敗北演説」(concession speech)を母校ハワード大学で行なった。 同日深夜(午前2時すぎ)のトランプ「勝利演説」(フロリダ州ウエストパームビーチ)とは何から何まで全く対照的だった。ハリスの演説会場には多くの若者たちが詰めかけていた。彼ら彼女らの服装はフロリダの豪華な衣装とは違って普段着の人がほとんどだ。ハリスは笑みを浮かべつつ目には涙が滲んでいた。 その内容は多分に情緒的なものだった。 「今は、皆さん、いろいろな感情をお持ちのことだと思います。私も同じです」 「これは、アメリカの民主主義の根本原則ですが、選挙で負けた時はそれを受け入れなければなりなせん」 「絶望しないで。今はあきらめる時ではなく、腕まくりをして取り組むべき時です」 「いま聞いてくださっている若い皆さん、悲しんでも失望してもいい。物事はきっと良くなる、そのことを忘れずにいてください」 「闘いには時間がかかることもあります。でもそれは、勝てないということではありません。大切なのは、決してあきらめないこと」 「アメリカが約束されている光は、いつだって明るく燃え上がるんです、私たちが決してあきらめず、私たちが闘い続けている限りは」 「あなたたちには力があります。力があるのだから、前例がないから不可能だなんて言われても、耳を貸してはいけません」 最後の<あなたたちには力がある>とのくだりを聞きながら、僕はパティ・スミスの『People Have the Power』という歌を思い出していた。レノン&ヨーコの『Power to the People』を引き継ぐ曲だ。多くの女性支持者たちは涙を流していた。