ふるさと納税返礼品に「原中ワイン」 長野県原村
原中学校(長野県原村)の3年生25人が栽培したブドウを使った2024年度産の「原中ワイン」が、村ふるさと納税の返礼品に登録された。「ピノ・ノワール」の白で、限定10本。2万円の寄付で1本(750ミリリットル)が送られる。ふるさと納税サイト「さとふる」で受け付けが始まった。 同校の独自教科「原村学」の選択講座「原中ワインをつくろう」の取り組み。ワイナリー「みね乃蔵」オーナーの小林峰一さん(62)=同村中新田=らを講師に、生徒が同校中庭でブドウを栽培し、収穫。委託醸造して完成したワインを保管し、二十歳になったらみんなで味わう計画をしている。 講座が始まった6年前、醸造など活動にかかる資金は村内で寄付を募るなどして確保。多くの支援が集まり、その後の活動も寄付を活用してきた。3年前、当時の講座受講生が、原中ワインをふるさと納税の返礼品にしてもらうことで、活動や村の魅力を知ってもらうとともに、後輩のために活動資金確保につなげられないか-と考えた。ただ、当時は生産が少量。村もすぐには難しいとの判断だった。 年を重ねるごとにブドウの収穫量が増え、今年度生産できるワインは80本ほど。来年度以降も毎年100本程度が見込め返礼品分が確保できるため、講座に関わる村地域おこし協力隊で、ふるさと納税返礼品発掘に取り組む西由美さんが同校と村の橋渡し役となり、登録が実現した。酒販免許を持つ小林さんを通して返礼品に出している。 今年度の講座は5月にスタートし、生徒たちは日々ブドウの木の管理を行い、9月に収穫。現在はワインボトルに貼るラベルの作成に取り組んでいる。 ワインは現在、小林さんのワイナリーで醸造中。厚みがあり、しっかりと酸味を感じられる味わいに仕上がる。来年2月始めに瓶詰めし、ラベルを貼って中旬に発送予定。梱包や発送はブドウ栽培を手伝っている特別支援学級の生徒が担う。 返礼品登録で、原村学の取り組みを全国に発信できること、持続可能な学びにするための活動資金の確保につながることを期待。サイトに掲載したタイトルや説明文は生徒の案を基にしており、生徒たちは「ワイン作りの取り組みを多くの人に知ってほしい。応援してほしい」「先輩から受け継いだ活動を後輩にも引き継いでいきたい」との思いを込めた。 同講座を担当する平塚広司教諭は「地域の皆さんに感謝している。より良い村づくりに、子どもたちなりに貢献できる」とし、「この村にある学校だからこそできること。自分の郷土に誇りを持ってほしい」と願う。小林さんは「返礼品になったことで、原中学校や学校での活動、そして村を村以外の人にも知ってもらう絶好の機会になる」と期待している。