上昇が続くビットコインは「バブル」といえるのか…暗号資産推進派のトランプ勝利で高騰続く
■1年前612万円だったビットコインがなぜ急騰? そもそも1年前のビットコインは1BTCあたり日本円で約612万円(2023年12月14日)だった、それが1年後の現在は約1567万円(2024年12月14日)になっている。ざっと2.5倍になったわけだ。推進派のトランプ氏が選挙で勝利したことも大きな要因の1つだが、それでも暗号資産を17世紀にチューリップの球根がバブルとなって、短期間で弾けた「チューリップバブル」に重ねる見方をする専門家も、まだまだ少なくない。
なぜビットコインは、ここまで急騰しているのか。暗号資産急騰の背景には、いったい何があるのか。簡単に紹介すると、次のようなものがあると考えられる。 ①マイニング半減期の期間であったこと マイニングと言うのは、ビットコインのルールで4年に1度、ビットコインを創生(採掘)するマイニング報酬が半分に減少するイベントのことだが、それがたまたま2024年の4月20日に実施されている。これまでの半減期にはビットコインは急騰してきた。そのタイミングでトランプ氏がビットコインをアメリカの戦略的準備金に組み入れると約束したことから、その価格が大きく急騰したと考えられている。
②オプション市場での異変 ビットコインにもオプション市場が存在するが、今回の急騰に拍車をかけたひとつが、このオプション市場での「コール(買う権利取引)」だと言われている。2020年から始まっているビットコインのオプション取引は、大量の資金が「買う権利=コール」に集中し、11月22日には460億ドル相当にまでコール・ポジションが積み上がり、コールの売り手であるマーケットメーカーが損失回避のためにビットコインの現物を買わざるをえない状況になった、と考えればいいかもしれない。
③ビットコインETF市場の急激な拡大 前述のように、ビットコインETFはいまや15兆円もの市場に成長している。ビットコイン全体の時価総額は今や300兆円に達し、ビットコインを含む暗号資産全体の時価総額も約3.3兆ドル(約500兆円)にも成長しており、マイクロソフトなどアメリカの巨大テック企業に匹敵する規模となっている。その推進役となっているのがETFと言うわけだ。 ④インフレ懸念の再燃 ビットコインや金は、インフレに強いと言われている。インフレによって通貨が目減りしていく中で、その価値を維持し続けてくれそうな金やビットコインが注目されて、数多くの投資家に購入されているわけだ。