ひろゆき&武井壮の百獣の王vs論破王⑬ 武井壮はどのようにして芸能界に入ったのか?【この件について】
ひろゆきがゲストとディープ討論する『週刊プレイボーイ』の連載「この件について」。武井壮さんとの対談13回目は、〝百獣の王〟として芸能界で大活躍している武井壮さんに「どのようにして芸能界に入ったのか?」を聞いてみます。すると、どんな職業にも当てはまるような考え方が見えてきて...。今回はタメになる話です! 【写真】「西麻布のバーで『ミルクをロックで』なんて注文するから、鼻で笑われたりもした」と語る武井壮 *** ひろゆき(以下、ひろ) 今やメディアに引っ張りだこの武井さんですけど、芸能界で成功した理由を自分なりに分析するとどうなりますか? 武井壮(以下、武井) 芸能界で活躍したいという目標は昔からあって、最初に考えたのは「芸能人と知り合いになる」こと。そのためにまず「変わったヤツ」になろうと思った。で、家を借りるのをやめて車で暮らすようにして「なんか車で生活している、変わったヤツがいる」という噂を西麻布に広めようとしたの。それで西麻布のバーに行ったんだけど、知り合いはいないし、しかもバーに来てるのにお酒を飲まないから、変な空気になっちゃう。 ひろ 同じ「変わったヤツ」でも、「近寄るとヤバいヤツ」になっちゃったんですね。 武井 そう。「ミルクをロックでください」なんて注文するから鼻で笑われたりもした。誰かに話しかけたいんだけど、当時はトークスキルもない。それで「いきなり西麻布はハードルが高すぎる」と思って、これまでの経験が生かせるスポーツを突破口にしようと思ったんだよ。 ひろ 具体的には? 武井 「スポーツ」「トライアウト」で検索したら萩本欽一さんの野球チーム「茨城ゴールデンゴールズ」がトライアウトをすることがわかって、すぐに応募した。 ひろ 欽ちゃん球団ですね。 武井 そう。俺は中学まで野球をやっていたから、当時でも時速130キロくらいの速球を投げられたし、走りも一番速かった。だから、入団テストでものすごく目立てた。 ひろ おお~。 武井 それで元巨人の鹿取義隆コーチはじめ元プロのコーチが推してくれて、なんとか入団することができた。 ひろ 欽ちゃん球団は世間でも注目度が高かったですから、そこからトントン拍子で? 武井 むしろ、その逆。宮崎でポンカンの箱詰めのお手伝いをする地域貢献イベントがあって、メディアも多く駆けつけていたから、とにかく目立とうとしてポンカンを爆速で箱詰めしたんだよ。そうしたら「ポンカンを雑に扱うんじゃない!」と怒られた(笑)。それで印象が悪くなって試合にあまり出させてもらえず、最後は萩本さんに「顔が嫌い」って言われてクビになったんだよ(笑)。 ひろ じゃあ、活躍する機会がなかったんですね。 武井 でも、その経験から「出すぎちゃいけない」ということを学んだ。自分が目指している芸能の世界は、テレビ番組だとMCがいるしゲストも来る。すると、そちらを立たせなくてはいけない。だから、自分だけ勝手に目立とうとするやつは邪魔になるだけ。その頃から意識が変わっていった。 ひろ というのは? 武井 また西麻布に繰り出すようになったんだけど、今度は目立たないようにバーの一番端の席に座るようになった。でも、ちょっと違和感を出すようにした。例えば、相変わらずロックでミルクを飲んでるんだけど、小型犬用の骨のおやつをかじる。それから、しっぽりとミルクを飲んでいると思ったらスッと立ち上がって店を出て、外で黙々とダッシュを繰り返す。 ひろ 相変わらず「変わったヤツ」ですけど、今度は「何してるの?」と声をかけたくなりますね(笑)。 武井 そのとおりで、声をかけられるのを待っていた。前は自分から積極的に話しかけていたけど、今度は質問されたときだけ答えるようにした。そしたら少しずつ、かわいがってもらえるようになった。 ひろ 少しずつ関係を築いていったんですね。 武井 そして、とんねるずの石橋貴明さんやマッコイ斉藤さんが俺を面白がってくれて、番組にも出させてもらえた。芸能人や業界関係者をつかまえて「俺、芸能界で活躍したいんです!」みたいに一方的に言ってくる人って、ぶっちゃけ話が面白くなかったりする。でも、ふと気になって声をかけてみたら話が面白かったりすると、かわいげもあるじゃない。そういうことを学んだんだよね。