出版界に根付く「ゴーストライター」どうして存在するのか?
ゴーストライターは今後も続くのか
ただ、これも昨今の出版不況によって崩れつつあります。大手出版社はまだライターを大切にするだけの余裕がありますが、中小以下の出版社ではそもそも10%という印税も怪しい場合も多くなってきているのです。さらには刷り部数によって印税が決まるのが慣例だったのに、実売部数で支払われることも出てきました。実売部数の支払いとなると、実際の入金が出版してから半年後ということにもなってしまい、なかなか収入のメドが立たないということになるのです。 本が売れなくなると、出版社はより売れそうな著者の本を出そうとします。ここ数年、同じような著者の本が立て続けに出版されているのもそのためです。ひとりの著者が何冊も集中して本を出すのは、差別化もできず、難しい。そこで聞き起こしや対談などで著者とは別の考えを交えることで差別化が図られることになります。そういった文章を取材・構成するのはライターです。その意味でも、ゴーストライターとしての仕事はこれからも続いていくのではないでしょうか。 (ライター=島田健弘)