「松葉ガニも岩ガキも絶品」 石破総理「鳥取自慢」を語る
友人には素性を隠していた
高校以降は東京で暮らすことになりました。しかし、私の「鳥取愛」は極めて強かったので、同級生たちに「とにかくいいところなんだから来てほしい」とアピールをしまくっていました。景色はいいし、食べ物は良いし、素晴らしいところだよ、と力説していたわけです。このあたり、今と同じようなところがあります。 アピールが奏功したか、結構多くの同級生が実際に鳥取に遊びに来てくれました。夜行列車で東京を夜8時に出れば、鳥取には朝7時には着いたと記憶しています。 まだ「裏日本」などという差別的な言葉も若干残っている時代ではあったものの、同級生たちも素直に喜んでくれていたように思います。 これは地方がとても元気な時代だったことも関係しているのでしょう。鳥取でも駅前にはホテルニューオータニや大丸がオープンし、実に賑わっていました。 当時の私の実家は、鳥取県知事公邸でした。ただ、友人たちには父が県知事であることは知らせていなかったので、みな着いてから知って驚いていたようです。名前で素性を簡単に検索する、なんてことが不可能だった時代だということです。
自然や景観以外に誇るべきは、やはり食べ物でしょう。こちらも今一つまだPRが十分ではない気もしますが、冬の松葉ガニ、夏の岩ガキなどは絶品です。これを日本酒や白ワインと一緒に味わうのは至福の体験といえます。昔はそんなにカニも高くなかったので、食卓に出ても「またカニか」などと思っていたんですから贅沢な話です。 こうした有名なものではなくて、ノドグロ、カレイ、ヒラメ、キス、アジ等々、その他の魚介類もとても新鮮で質の高いものがたくさんあります。素材が良いので、あまり加工をしなくてもものすごくおいしく味わえます。 残念ながら他の多くの自治体と同様に、鳥取県の人口も減少傾向にあります。1年で約5000人ずつ減っています。ただ一方で、移住してくださる方も多く、このところは毎年2000人ほどいらっしゃいます。移住者の絶対数は多いのです。それも20代、30代が半数以上を占めています。