河合優実、映画「敵」で共演した長塚京三の表現に見惚れる「目が忘れられない」
長塚京三主演の映画「敵」より、監督を務めた吉田大八やキャストのコメントが到着した。 【画像】映画「敵」女性たちの登場シーンはこちらから 筒井康隆の同名小説をもとにした同作。長塚扮する妻に先立たれた元大学教授・渡辺儀助のもとに「敵がやって来る」と不穏なメッセージが届くことから物語が展開していく。 同作の魅力の1つは、儀助と3人の女性たちの関係性。瀧内公美が清楚で妖艶な魅力を持つ教え子・鷹司靖子、黒沢あすかが死んでなお儀助を支配する妻・渡辺信子、河合優実が儀助を翻弄する謎めいた大学生・菅井歩美を演じた。 長塚は「(女性たちによって儀助の)インテリ特有の小心さや、狡猾さみたいなものが滲んでくる」と語る。亡き妻と儀助の関係については「もうひとつ愛しきれていなかった部分があって、約束したパリに連れていかなったことは大きい」と言及。さらに「靖子の恋愛相談に乗って力になろうとしたり、歩美の滞納している授業料を心配したりと、懐の深いところを見せようとするけれど、相手のことをおもんぱかっていたのかはわからない。実はおためごかしで、下心があったのかもしれないし、余計なお節介だったのかもしれない……観客の皆さんはどう受け止めてくださるのでしょうか」と期待を込めて話す。 長塚との共演について、黒沢は「横に座ったときに、なんて自分がクリアになってくんだろうという空気清浄機で浄化されていくような感覚。至福の時だった」と、瀧内は「皆さんへの接し方や立ち居振る舞いを拝見して、非常に勉強になるところがあった」「日本の宝となる大先輩の俳優とご一緒させてもらったのだと感じた」と回想。河合も「長塚さんの表現を観に行くだけで、敵を観る喜びがあるんじゃないかっていうぐらい見惚れていた」「台本に書いてあるセリフがもう終わったけど、少しの間カットはかからないときの儀助が強烈に印象に残っていて、そのときの目が忘れられない」と振り返った。 監督の吉田は「瀧内さんは撮影初日に衣装でカメラ前に立ったときから、圧倒的な“靖子感”だった。河合さんも、彼女らしい聡明さで僕の想像を超えた歩美を軽やかに創ってくれた。黒沢さんは以前からそのスケールの大きさに日本人離れしたものを感じていて、信子の複雑な儚さを強烈に表現してくれたと思う」と俳優陣を絶賛している。 「敵」は1月17日より東京・テアトル新宿ほか全国でロードショー。 ©1998 筒井康隆/新潮社 ©2023 TEKINOMIKATA