宇宙は使う時代へ。 PwCコンサルティング 宇宙・空間産業推進室に聞く、 生活を変える宇宙ソリューション
独自の着眼点で真似できない技術を開発
―― 宇宙開発というと、やはり米国や中国が牽引しているように見えます。日本の強みはどこにあると考えますか。 渡邊:日本の強みの源泉は、やはり痒いところに手が届く着眼点でしょう。自動車も白物家電も、高性能かつ小型で信頼性を高める技術開発に長けているところが多々ありました。宇宙開発では、日本が持つ、国際宇宙ステーションまで物資を載せた補給船を輸送し、無人かつ自動でドッキングさせる技術は長けています。1月にはJAXAの小型月着陸実証機「SLIM」が月面着陸に成功しました。自律飛行で誤差100m以内での着陸を達成したのは、宇宙開発に早くから取り組んできた一日の長があると思います。先日、海外の宇宙関係者と意見交換をした際、こうした日本の技術は信頼できると評価をいただきました。 南:海外と比べると、日本の製品やサービスは圧倒的に安い点も海外からの採用・受注率の高さにつながっていると思います。技術力が高いのもありますが、日本企業は真面目でそもそもあまり高く売ろうとしていないのかもしれません。 渡邊:宇宙・空間産業の成長は、ものづくりから価値づくりにシフトしていく転換点にもなると思います。お客様の事業にとって自社の製品やサービスがどういうピースになるのかを考え直すきっかけになりそうですね。 ―― 宇宙・空間産業において、自社の強みを発揮していくにはどうすれば良いのでしょうか。 渡邊:Internet × Space Summitの基調講演「これからの宇宙・空間産業について」では、私と南に加えて、当日はシステムズエンジニアリングに詳しい慶應義塾大学大学院の白坂 成功教授にご登壇いただきます。「システムズエンジニアリング」や「システムアーキテクチャ」といった言葉をキーワードに、リアルとデジタルをつなぐこれからのビジネスをどう考えていくべきか、その発想法や思考法をご紹介します。 南:宇宙・空間産業は発展途上で全体の構造はわかりづらく、自分たちがどのポジションを取るべきか迷っている方も多いのではないでしょうか。システムズエンジニアリングを使って、まずは宇宙・空間産業の全体の見取り図を作ることが重要だというメッセージを受け取っていただければと思います。 <開催概要> Interop Tokyo 2024 会期:2024年6月12日(水)~14日(金) 会場:幕張メッセ(国際展示場 展示ホール2~6 / 国際会議場) 主催:Interop Tokyo 実行委員会 運営:(一財)インターネット協会 / (株)ナノオプト・メディア 参加費:無料(展示会・講演) WEBからの登録制・会期3日間有効 公式ホームページ:https://www.interop.jp/ 基調講演 「これからの宇宙・空間産業について」 2024.6.13(木) 16:05-16:45 提供:PwCコンサルティング合同会社 Speaker 慶應義塾大学大学院 システムデザイン・マネジメント研究科 教授 白坂 成功 PwCコンサルティング合同会社 執行役員 パートナー 渡邊 敏康 PwCコンサルティング合同会社 シニアマネージャー 南 政樹 URL:https://forest.f2ff.jp/introduction/8921?project_id=20240601
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