親が亡くなってからでは遅すぎる…40代男性が「親が元気なうちに聞いておけばよかった」と後悔していること
■最低限チェックしておくべき4項目 親の財産といっても様々なものがありますが、まず、次の4つは最低限、絶対に確認しておきましょう。 上記は、もし親が亡くなった際には必ず確認しなければならない事項です。これらがわからないと、相続すべき財産がいくらなのかも分りませんし、親族、きょうだい間での分割協議も一向に進みません。 親が亡くなったあとに家中の物をひっくり返すだけでも相当大変なはずです。これは非常に現実的な話で、相談に来られた多くの方が、「通帳や印鑑などの在りかがわからない」と口にされています。 では、ここからは4項目について、お客様から聞かれたときにお伝えしている“具体的にチェックすべきポイント”を説明していきます。 ■どこの銀行・証券会社に口座があるのか 1.銀行・証券口座 銀行口座は、「金融機関」「支店名」「口座番号」と「調べた時点での残高」を一覧にしておきましょう。 長らく使っていない口座は、親が元気なうちに解約の手続きを進めてもいいかもしれません。キャッシュカードの暗証番号は安全なところに保管します。外に持ち出さないノートに書いておくのもおすすめです。 ただ、家族だからと本人から暗証番号を聞いてキャッシュカードを使用するのは望ましくありません。「生計を一にする」という条件はありますが、可能であれば「代理人カード」を作っておくと、本人に代わってATMでの引き出しができるので便利です。 通帳記入が終わったら、引き落としされている内容もチェックしましょう。 相談に訪れた方の中には、水道光熱費の推移を見て「水漏れが発覚した」という方や「親が夏場にクーラーをつけていなかった」ということがわかった例もありました。親が何にお金を使っているかだけでなく、実家や親自身の動向を把握するのにも役立ちます。
■「塩漬けの投資信託」に注意 とはいえ、行き過ぎたチェックは控えましょう。健康食品の定期購入、趣味の収集など、子供から見ると一見無駄と思えるものでも、親にとっては大事な支出だったりします。明らかに不必要な高額商品を買わされている場合は見逃せませんが、親子で揉めては意味がありません。“あくまでも親のお金なのだ”と使い方には口出しをしない心づもりも大切です。 証券口座も同様に、「金融機関」「支店名」「口座番号」を一覧にしておきましょう。株式や債券、投資信託などを保有している場合は、「その時点での評価額」も確認しておいてください。 中には、昭和の時代から塩漬けになっている投資信託を持ち続けている高齢者もいます。 明らかに手数料が高かったり、ブームが去ったものに投資している商品を持っていたりすることもあります。今後も利益が望めないものは、早々に売却整理を検討してもよいかもしれません。親が認知症になったり、死亡したりすれば、売却するのにも複雑な手続きが必要となるからです。 ■何の保険に入っているのか、問い合わせ先もチェック 2.保険 生命保険、医療保険、年金保険、火災保険、自動車保険など、契約しているものを一覧にしておきましょう。また証券はまとめてファイリングをしておくことをお勧めします。 一覧にまとめる際は、保険金が「いつ」「どんなときに」「いくら受け取れるのか」を把握するとともに、「証券番号」と「問い合わせ先」も確認しておきましょう。 保険は請求しないと保険金が受けられないので、いざというときに速やかに手続きできるようにしておくことが大事です。被保険者に代わって保険請求ができるよう、「代理人請求の手続き」も終えておきましょう。 また保障内容も現在の生活リスクにふさわしいものなのかどうかも確認してください。例えば「外貨建て保険」の場合、万が一のときに為替によって保険金額に変動があります。円高のときに亡くなれば、ドルで確定されている保険金も円転する際に想定していた保障金額より少ない保険金しか受け取れません。 あるいは貯蓄目的でドル建て保険に入っている場合は、円安のいま解約したほうが、むしろメリットが得られることもあります。高齢者は、お守りにと保険をそのまま持っていることも往々にしてあるので、ぜひ子供の立場からも“終わり時”について提案できるようになると良いでしょう。