副業・兼業で「週1副社長」を――“人口最少”鳥取県のプロジェクトが人気 年3000人が応募 リモートで「人材不足」解決
日テレNEWS
人材不足に悩む鳥取県の企業を支援してくれる人を県外から募り、リモートで業務にあたる副業・兼業プロジェクト「週1副社長」。年間応募者は3000人に上ります。コンサルティング会社での経験を生かし、鳥取市の老舗商店をサポートする例を取材しました。
■製薬関係なのにラーメンのリサーチ?
都内の製薬関係の会社に勤める斉田雄介さん(40)。休日に自宅で始めたのは、リモートでの打ち合わせです。ただ、内容は薬についてではありませんでした。 斉田さん 「『鶏白湯Soba』というメニューで。チャーシューは鶏チャーシューで、割とフワフワした…」 ラーメンのリサーチ結果について伝えていた斉田さん。「『週1副社長』という企画で、鳥取の仕事をお手伝いする(仕事です)」と教えてくれました。
■4年間での採用は469社755人
全国で人口が最も少ない鳥取県。人材が足りない、でも正社員を雇うのは難しいという課題からスタートしたのが、副業・兼業プロジェクトの「週1副社長」です。 企業にアドバイスやサポートをしてくれる人を県外から募集。採用された人は週に1回程度、リモートでミーティングをしながら業務にあたります。報酬は月3万円~5万円で、金銭を受け取る副業がNGの人らには、カニやナシといった特産品を送ることもあります。 応募者は年間約3000人に上り、2019年~今年7月の4年間で469社に755人が採用されています。
■支援先の社長「本当に学ぶこと多い」
以前、コンサルティング会社に勤めていた斉田さん。その時の経験を他の場所でも発揮したいと、「週1副社長」に応募しました。 その斉田さんを採用したのが、鳥取市にある老舗商店の4代目・金居洋子社長です。写真の現像から雑貨、化粧品の販売まで幅広く事業を行っています。 金居社長は「私たちの捉える当たり前と、都会で最前線で働いていらっしゃる方の当たり前が違うので、学ぶことが本当に多いです」と語ります。 会社案内や中期の経営計画を作ることも斉田さんが提案しました。金居さんは「会社全体の色々なことが見えてくるから、というお話をいただいて」と振り返ります。