【バレー】今季での引退を発表した埼玉上尾メディックス・山岸あかね「持ち味は守備範囲の広さ。一緒にコートに入っている選手を助けたい」 SV女子
バレーボールSVリーグ、埼玉上尾メディックス主将、パリ五輪に「13人目のメンバー」として参加した名リベロ、山岸あかね選手が今季をもっての引退を発表した。 SVリーグ女子は10月12日に開幕。埼玉上尾メディックスはとどろきアリーナにてNECレッドロケッツ川崎と対戦する。 その直前、10月10日に山岸あかねは現役引退を発表した。 シーズン開幕前に引退の意思を伝えることで、ファンに感謝の気持ちを伝え、しっかりラストイヤーを見届けてもらおうという本人の意思、配慮からの決断だった。 山岸あかね、コートネームは「キラ」。東海大学を卒業後、当時まだ2部だった埼玉上尾メディックスに入団し、以降チームの守護神として活躍を続けた。2022-23シーズンに230試合出場を達成し、Vリーグ栄誉賞を受賞。その間、幾たびも日本代表に選出された。 山岸あかねがどんなプレーヤーかと言えば、まず挙げられるのが守備範囲、カバーできるエリアの広さであろう。 ディフェンスにおける評価基準として、「サーブレシーブ成功率」というものがある。ざっくり言ってしまえば相手のサーブをどれだけ正確にセッターに返せるかという数字だ。 リベロにおいてもこの数字が上位の選手が優秀なプレーヤーとして評価され、表彰を受けたり、代表にも選出される傾向がある。 もちろん山岸もこの数字で他の選手に引けを取らないのだが、山岸はサーブを受ける範囲を広く設定し、他のスパイカーの負担を軽減して攻撃に専念させることを自身の「武器」と認識している。 厳しい態勢が増えて多少数字に影響しようがそこはフォア・ザ・チーム。単純に数字だけでは表わせない貢献度が高い選手なのである。 数字に表れない、という面はプレーだけではない。仲間の心を繋ぐということにも山岸は多大な貢献をしてきた。 パリ五輪の最終戦後、記念撮影時に古賀紗理那の隣に寄り添って共に涙する姿は、山岸あかねが五輪で求められていたことを体現したシーンであったと記者は感じている。 コートに立つことのなかったオリンピック。プレーヤーとしては複雑な思いもあったかもしれない。しかし、ここでも山岸あかねは数字には表れない多大な貢献をしたのだと、このシーンを見てそう確信を持った。 山岸選手には先日開催されたSVリーグ開幕記者会見で新シーズンに向けた抱負を聞いたので、ここでぜひご紹介したい。 もちろんこの時点で取材者は引退を知らない。
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