見た目に“偏見” 人種などで職務質問「レイシャル・プロファイリング」 違法訴え国などを提訴
頻繁に職務質問を受けるのは、自分の「見た目」で判断されているのではないか。ゼインさんは今年1月、警察が肌の色や人種などをもとに職務質問をするのは差別で違法だとして、同じく外国にルーツを持つ2人と、国などに対し1人あたり330万円の損害賠償などを求め、東京地裁に提訴。15日に第一回口頭弁論が開かれました。 肌の色や人種、国籍だけを理由に職務質問などをすることは「レイシャル・プロファイリング」と呼ばれ、国連の機関も対策を講じるよう勧告を出しています。 15日の意見陳述でゼインさんは「海外ルーツの人に対する偏見に基づく言動がまん延しているのではないか」などと主張。一方、国などはレイシャル・プロファイリングの存在を否定するなどして、争う姿勢を示しました。 ゼインさんはこの裁判をきっかけに、外国にルーツがあると判断される見た目を持った人への認識を、社会全体で変えたいといいます。 ゼインさん(27) 「偏見や差別も一つ一つ疑問をもって考え直すのが大事なんじゃないかなと思います。海外にルーツがあっても、日本で生まれ育って日本の文化にしか触れていない人たちの立場になったときにどう思うのか、ぜひ考えてもらいたいなと思います」
■外国にルーツ持つ記者が解説 見た目で“職務質問”
森圭介キャスター 「取材した日本テレビ社会部の白賀エチエンヌ記者に聞きます。まず、原告側と被告側の意見・主張は対立しているということですが、レイシャル・プロファイリングはあると訴える原告側は、どんな主張をしているんでしょうか?」 白賀エチエンヌ記者 「ゼインさんら原告側は、自らの経験に加えて、レイシャル・プロファイリングが行われていることを裏づける警察内部の資料があるとしていて、訴状によりますと、例えば、愛知県警の職務質問のマニュアルでは、外国にルーツがある見た目で、日本語を話さない人には『必ず何らかの不法行為があるとの固い信念を持つ』などの記載があったとしていて、レイシャル・プロファイリングは存在すると主張しているんですね」 斎藤佑樹キャスター 「実際に外国にルーツがある人で、レイシャル・プロファイリングを受けたと感じている方は多いんでしょうか?」