見た目に“偏見” 人種などで職務質問「レイシャル・プロファイリング」 違法訴え国などを提訴
日テレNEWS NNN
15日、東京地裁で人種などを理由に職務質問を受けてきたとして、国などを訴えた裁判が開かれました。こうした差別は「人種(レイシャル)」「犯罪捜査(プロファイリング)」という意味の「レイシャル・プロファイリング」と呼ばれています。人種や肌の色、国籍だけを理由に、警察官が職務質問や取り調べなどを行うことをいいます。外国にルーツを持つ人たちがどのような苦痛を感じてきたのかを取材しました。
愛知県に住むゼインさん。私たちと待ち合わせをした名古屋駅で、何度も嫌な思いをした経験があるといいます。 パキスタンにルーツを持つゼインさん(27) 「1日に2回、ここだけで職質をされてびっくりしました」 駅を利用したとき、何度も警察官から職務質問を受けたといいます。 パキスタンにルーツを持つゼインさん(27) 「(名古屋駅だけで)5回以上は間違いなく職質されている。少なくともですよ、僕もありすぎて忘れているぐらいなので」
パキスタンで生まれたゼインさんは、8歳のときに母親や兄弟と来日。父親はその10年以上前から日本に住んでいて、ゼインさんが13歳のとき、家族全員で帰化を申請。日本国籍を取得しました。日本で暮らして、もう15年以上になり、日本語も流ちょうですが… ゼインさん(27) 「自転車で来ていた時に(警察に)『止まりなさい』と言われて。一番最初にかけられた言葉が『これ、お前のチャリ(自転車)じゃないだろ』だった」 別の日には… ゼインさん(27) 「(警察が)僕の免許証を見ながら『日本国籍をとると在留カードなくなるの?』と」 日本国籍を取得したため在留カードは必要ありませんが、持っていないことを警察官になかなか納得してもらえなかったこともありました。次第に、ゼインさんの中である思いがわいてきたといいます。
ゼインさん(27) 「日本人として(日本で)生まれ育った人に話を聞くと『職質なんてされたことない、 人生で1回か2回かな』と。周りの外国ルーツの人たちだけ職質される事が多い。これって自分だけじゃないんだな、みんな感じているんだな、じゃあ何かおかしい。みんなのために何か変えなければ」