「成功し大金を稼いでも、認められることはないと思っていた」62歳デミ・ムーアがゴールデングローブ初受賞で感動スピーチ
現地時間1月5日にビバリーヒルズで開催された、第82回ゴールデングローブ賞授賞式。アリアナ・グランデやティモシー・シャラメといった若手からジョディ・フォスターやハリソン・フォードなどの大御所まで豪華な顔ぶれが集まりましたが、特筆すべきは熟年セレブたちのかっこよさ! その中でも私が個人的に感動したモーメント、ベスト1を発表したいと思います。 【動画】「もうおしまいだと思っていた」キャリアのどん底を味わったデミ・ムーア、声を震わせながらの授賞スピーチに賞賛の声
ぶっちぎり大優勝は、デミ・ムーアの胸を打つ授賞スピーチ
今回のゴールデングローブの主役は、満場一致でデミ・ムーアで決まりではないでしょうか。 自ら「キャリアの底にいた」というデミが、60代で映画『サブスタンス』の主演を果たして、見事キャリアにカムバック。そして今回のゴールデングローブの映画部門で、主演女優賞(ミュージカル、コメディ部門)を獲得。ドレス姿の美しさも素晴らしかったのですが、その授賞スピーチの内容が感動的だったのです。 「私は45年以上やってきて、俳優として賞を獲得したのはこれが初めてです」という意外な告白から始まり、「30年前、あるプロデューサーに“ポップコーン女優だ”と言われました。当時はそれを、私はこれ(トロフィー)を手にすることは許されないという意味だと受け取りました。私は映画に出て成功し、たくさんのお金を稼いでも、認められることはないのだ、と」。 ポップコーン女優とは、軽い娯楽映画に出る女優という意味。 「私はそれを鵜呑みにし、その言葉を信じました。その言葉は長い年月をかけて私を蝕み、数年前、もうこれでおしまいだと思うまで続いたのです。私がやるべきことはもうすべてやったと思いました」
キャリアが終わったと思った瞬間に手にしたチャンス
ポップコーン女優というひと言に、呪いをかけられてしまったデミ。けれどキャリアも終わったと思った瞬間に、チャンスは飛び込んできました。 「魔法のように大胆で勇気のある、固定観念に捉われないクレイジーな脚本」である今回の作品『サブスタンス』が、デミに年老いてハリウッドで需要がなくなってしまった元スター、エリザベスの役をオファーしたのです。 「宇宙は私に、『まだおしまいじゃない』と告げたのです。私が自分を信じられなかったときに、私のそばで私を信じてくれた人々に感謝します」と言うと、最後にこう締めくくりました。 「自分はもっと賢くないと、もっと美人じゃないと、もっと痩せないと、もっと成功しないとなどと思うとき、私にはこう言ってくれる女性がいました。『いつまで経ったって充分ではないかもしれない。だけどそんな物差しを手放したら、あなたには充分な価値があるということがわかるはずよ』」
さかい もゆる