富士山いまだ初冠雪せず 統計開始130年で「最遅」更新中 山頂の10月平均気温“史上最高”1.6℃が影響か
静岡放送
例年ならすでに雪化粧をしている富士山ですが、11月に入っても初冠雪の発表がありません。いまから130年前(1894年)の統計開始以降、最も遅い記録を更新中ですが、ここまで雪が降らない理由は一体どこにあるのでしょうか。 【写真を見る】富士山いまだ初冠雪せず 統計開始130年で「最遅」更新中 山頂の10月平均気温“史上最高”1.6℃が影響か <三島乾児カメラマン> 「富士山中腹では、紅葉が始まっていますが、山頂付近はまだ夏山です」 黒々とした山肌を見せる富士山。この季節あるはずの雪がありません。平年の初冠雪は10月2日、2023年は10月5日でしたが、2024年は11月4日になっても発表されません。 2合目にあるこちらも。 <三島乾児カメラマン> 「スノーパークイエティのスキー場です。ゲレンデに雪がほとんどありません」 10月25日にオープンしたスキー場は、臨時休業が続いています。 富士山と茶畑の美しい景色が楽しめると、観光客に人気の静岡県富士市の大淵笹場。11月4日は雲がかかっていて富士山を見ることはできませんでした。 <大阪からの観光客> 「ちょっと見える、望遠鏡で見たら」 「車しか見えない」 「残念ですけど」 「茶畑だけでもいい感じで」 <タイからの観光客> 「以前来たときは、雪が積もっていてとても良かった。しかし、きのうは雪が無かったので、頭に帽子を被っていないみたい」 <愛知からの観光客> 「ちょっと心配ですね。雪がある時はあってほしいなと思いますね」 地元の人も、なかなか届かない冬の便りを気にかけています。 <大淵二丁目ささば景観保存会 鈴木松男副会長> 「心待ちにしています。やはりお客さんも来るたびに『まだ雪はどうでしょうかね』なんて話も伺ってますので『いやあ、今年はちょっとねえ』なんて」 気象台によりますと、11月になっても雪が降らなかった年はこれまで1度もなく、初冠雪は1894年に統計を取り始めて以降、過去130年間で最も遅くなっています。なぜ、富士山に雪が降らないのでしょうか。 <田中健太郎 気象予報士> 改めて富士山初冠雪の条件はこちらです。まず天気が崩れること、そして雪が降る温度、0℃前後まで下がっていることが必要です。2024年は天気が崩れても雪が降る温度まで下がっていないので、初冠雪となっていません。