「上司と取引先が対立…板挟みでツライ」→COOが提案する「真っ先にやるべきこと」とは?
いよいよ配属先が決まり、本格的に仕事がスタートしたという新入社員も多いだろう。実際に仕事をすると、職場の人間関係や今後のキャリアなど、さまざまな悩みが出てくるかもしれない。連載『「40代で戦力外」にならない!新・仕事の鉄則』も好評の石倉秀明さんが、新人・若手社員のあるあるな悩みに答えていく。第5回は、「板挟みになってしまった」ときの切り抜け方を解説する。(構成/ダイヤモンド・ライフ編集部) 【この記事の画像を見る】 【Q:上司と取引先の意見が対立しており、“板挟み状態”でつらいです。どうしたらよいでしょうか】 (※質問内容は、編集部の取材を基に作成しています) 何かしらかなえたい目的があり、その上でそれぞれの言い分があるという状態ですよね。僕ならどうするか。
● 自分のスタンスを決める 交渉は「ごまかさない」 まず、「自分のスタンスを決める」ことが、とても大切です。 「どちらかの意見を聞かなければならない」と考えるから、苦しいんだと思います。 重要なのは、あなたがどう思うか。目的をかなえるために、あなたはどうすべきだと考えるのかをまず整理してみましょう。 対立するどちらかに“寄る”のではなく、一番の目的に対して最善の方法が何かを考え、自分のスタンスを持って、両者とコミュニケーションを取っていく。同じ一つのゴールを踏まえて話し合っていけば、敵対する必要はありません。 ゴールが共有できたら、あとはそれぞれと交渉していくわけですが、ここでのポイントは「うそをつかない」「ごまかさない」こと。 ごまかして一旦その場が収まったとしても、関係性がそこで終わるわけではありません。例えば、営業担当だったら担当者が変わることもあるわけで、後々苦しくなることが容易に想像できます。 ● 自分が譲歩したら 相手にも譲歩してもらう あとは、対等なコミュニケーションを心掛けておきたいですね。 例えば、取引先から何か譲歩してくれと言われたら、取引先側にも譲歩してもらわなければ対等ではないですよね。 ただ、これって意外とできていない。一方的にお客さんの言うことを聞いているだけの人がとても多いです。 相手の要求をのんでばかりで、こちらから全然要求していない。全部自分が受け入れなきゃいけない状態になって苦しんでいる人は、少なくないと思います。 商談や営業は「商取引」であり、何かの対価があってそれに対してお金を頂戴するもの。決まった対価以上の要求をのむのであれば、お客さんにも何か譲歩してもらわないと、対等な関係とはいえません。 自分が1つ譲歩したら、先方にも1つ譲歩してもらう。このバランスを保つのが重要だと思います。 いしくら・ひであき/山田進太郎D&I財団 COO。2005年に株式会社リクルートHRマーケティング入社。その後、リブセンス、DeNA、起業などを経て2016年より株式会社キャスター取締役COOに就任(2021年より取締役CRO)。2023年10月の東証グロース市場上場に貢献し、2023年12月からは働き方について研究、調査を行うAlternative Work Labを設立し所長就任(現在も兼任)。FNN系列「Live Newsα」、AbemaTV「ABEMAヒルズ」レギュラーコメンテーター。
石倉秀明