コインベースがブラックロックにビットコインを貸して市場操作の噂、コインベースCEOやETF専門家が否定
コインベース(Coinbase)がブラックロック(BlackRock)にビットコイン(BTC)の借用証書を発行しているという噂は、業界の専門家やコインベースのCEOブライアン・アームストロング(Brian Armstrong)氏によって米国時間9月23日に直ちに否定された。 週末にかけて、 X(旧ツイッター)で多くのフォロワーを持つ暗号資産(仮想通貨)アナリストのタイラー・ダーデン(Tyler Durden)氏は、スポットのビットコイン上場投資信託(ETF)の最大の発行者であるブラックロックに対してコインベースが担保なしでビットコインを借り入れさせ、市場操作とその結果生じる価格変動から利益を得ることを可能にしていると非難した。 ダーデン氏の主張は、トロン(Tron)創設者ジャスティン・サン(Justin Sun)氏によるXへの投稿を受けてのものだった。サン氏は、コインベースの新しいラップド・ビットコイン商品 (cbBTC) は準備金証明や監査がなく、いつでも残高を凍結できることを理由に、「私の言うことを信じてほしい」と述べている。 「米国政府の召喚状があれば、あなたが持つすべてのビットコインを差し押さえられる可能性がある」とサン氏は記している。「中央銀行のビットコインについて、これほどよく表しているものはない。ビットコインにとって陰鬱な日だ」
コインベースCEOや専門家からの反論
両者の申し立てに対して、コインベースのアームストロング氏は、ETFは1営業日以内にミントされ、バーンされ、チェーン上で決済され、機関投資家は取引が完全に決済される前に貿易金融と店頭オプションを用いる選択肢があると説明した。 ダーデン氏は後に同投稿を削除している。 「私はこれらの噂や陰謀論を一瞬たりとも信じていない」とブルームバーグ(Bloomberg)のETFアナリスト、ジェームズ・セイファート(James Seyffart)氏はCoinDeskに語った。「これは、ETFに対する一連の悪い見解の一つだ。」 セイファート氏は、透明性を高めるために、ブラックロックを含むより多くの発行者がデジタルウォレットのアドレスを一般に公開する必要があると繰り返した。暗号資産ネイティブのスポット・ビットコインETF発行者であるビットワイズ(Bitwise)は、ビットコインとスポットのイーサリアムとの両方のファンドでこれを実施しており、業界の専門家から賞賛されている。 ブルームバーグのシニアETFアナリスト、エリック・バルチュナス(Eric Balchunas)氏は、ビットコインのコミュニティが「鏡を見るかわりに」、最近の市場での売り圧力をETFのせいにしていると批判した。 「ビットコインに投資する[人々]は一般的に[政府]や組織に懐疑的である(それは理解できる)」と同氏はXに投稿した。しかし、同氏はブラックロックが「ふざけているわけではない」とし、コインベースが「自分たちのビットコインでふざけている」ならば、この資産運用会社は「激怒するだろう」と述べた。 |翻訳・編集:T.Minamoto|画像:CoinDesk|原文:Brian Armstrong, ETF Experts Shoot Down 'Paper Bitcoin' Rumors
CoinDesk Japan 編集部