絶対王者、敗れる! 勝ったのは岡本で、ヤマハ最強神話は揺るがず! ~全日本ロードレース第3戦 スポーツランド菅生大会
レース1の展開から決めるレース2の戦略
日曜に行なわれたレース2では、またも岡本が好スタートを見せ、インから水野、アウトから野左根が並ぶように1-2コーナーをクリア。岡本→水野→野左根→中須賀→高橋→長島の順でレースをスタート。しかし、バックストレートエンドで水野がトップに浮上すると、メインストレートで岡本がトップを奪回。土曜のレース1の展開を考え、序盤からトップグループのペースが激しいスタートとなった。 このレース2では、レース1から変わってヤマハの2台とドゥカティが抜け出し、4番手の野佐根は先頭3台から遅れ始める。序盤から3台のトップ争いの中から、徐々にトップ岡本と2番手水野が、3番手の中須賀との差をつけ始め、スタートからスパートする岡本、そこに食らいついていく水野に対し、中須賀がやや遅れ始める。4番手争いは野左根と高橋のホンダCBRが対決しはじめる。 トップ争いは岡本と水野のほぼ一騎打ち。両者の差は開かず縮まず、ミスの許されない戦いとなりながら、揃って1分26秒台中盤のラップタイムで走行。このペースは、さしもの中須賀も追うことができず、トップ2台と3番手の中須賀との差も広がってしまう。 結局レースは、終盤までハイペースをキープ出来た岡本が、ラスト3周のラップタイムを1分27秒台に落としてしまった水野を2秒弱引き離して優勝! 岡本はこれがJSBクラスの2勝目で、23年の菅生大会以来、約1年ぶりの優勝となった。 2位水野から10秒遅れで中須賀が3位、その14秒後方に4位の野佐根と5位の高橋、その5秒弱後方に6位の岩田がフィニッシュした。 「レース1の結果を見てセッティングを見直そうと考えていたんですが、あまり効果がなく、テストから使っている仕様で走りました。あとは自分勝負、と序盤から攻めていけたのが良かったんじゃないかと思います。スタートが上手く決まって、一度水野くん、野左根くんにも前に行かれたんですが、ここで行かなきゃ、とすぐに抜き返したのが良かった。トップに立ってからは、あとはミスのないように走り切れました」(岡本) これで開幕戦から5レース連続でヤマハファクトリーレーシングが5連勝。しかし、注目すべきは、ここまで3戦5レースすべてで表彰台に上がるものの、まだ「優勝」のない水野。ドゥカティのワークスマシン、パニガーレV4Rに乗り換えてすぐの開幕戦から好タイムで走れているものの、まだまだ理想の走りができていないのだという。 「まだまだドゥカティの本領を発揮できていないし、乗りこなせていない。車体だって、サスペンションも電子制御も、まだまだ出来上がっていない感じです。それが、きのうのレース1から変更したセッティングで大きく改善されて、今までの自分たちのネガをきょう一日で大きく改善できました。確実にレースごとによくはなっているので、今回は今までよりもかなり大きくステップできたし、レース1よりもかなりペースの上がったレースができたと思います。今日のレースというより、今後の戦いに有効なマシンに近づきました」(水野) これでJSBのレースは、鈴鹿8耐を除くと、8月のもてぎ2&4まで長いインターバルを迎えることとなる。おそらく鈴鹿8耐にも出場する水野は、ここからテストや本戦で飛躍的に走行時間が増えることが予想されるため、8月のもてぎ2&4での走りが楽しみになってきた。 いよいよ黒船ドゥカティが絶対王者の牙城を崩すのか、それともYZF-R1がパニガーレV4Rをハネ返すのか!
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