【インターハイ男子注目校】東山(京都府)「新たなスタイルを構築し、悲願の全国制覇へ」
バスケどころ、福岡市で開催される「令和6年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会(インターハイ)」が8月4日に開幕。北部九州インターハイで大会を盛り上げる有力チームを紹介していく。 文・写真=田島早苗
■いかに東山のバスケをやりきれるかが課題
佐藤友(東海大学1年)、瀬川琉久(3年)、佐藤凪(2年)の3人が攻撃の中心を担い、昨年のインターハイでは準優勝となった東山高校(京都府)。今年は佐藤友が卒業したものの、瀬川と佐藤凪は健在で、昨年果たせなかった日本一の座を虎視眈々と狙っている。 184センチの瀬川は、得点にパスにとオフェンスの起点となる司令塔。跳躍力を生かしたクラッチからのシュートやリバウンドなどでもチームをけん引する大黒柱だ。佐藤凪は、高いスキルとシュート力を誇るポイントゲッター。安定して得点を奪うだけでなく、今年はポイントガードとしての試合経験も積んできた。 そして今年、ここにルーキーの中村颯斗が加入。中村は、四日市メリノール学院中学校(三重県)時代に全国中学校大会、ジュニアウインターカップで優勝を達成するなど、世代のトップを走ってきた選手で、外角シュートを得意とし、走力も兼ね備えている。「第71回 近畿高等学校バスケットボール大会」では、「自分の持ち味を出せなかった」と、3ポイントシュートが入らずに苦しんだが、「まだ(ほかの選手と)合わなかったり、遠慮したりしているところがあるので、試合などをやりながら、中村が生かせるようなバスケットをしていきたいです」と、大澤徹也コーチも期待を寄せている。 「新しく入った選手もいるので、(チームとしての)新しい長所を見つけて戦いたいです」と、今年のチームについて語った大澤コーチ。昨年のチームとの変化には「判断が良くなるというか、バスケットがよりシンプルになると言った方が分かりやすいかなとは思うのですが、全員が同じような形で攻めて、相手に的を絞りずらくする。そういったことがうまくできれば、東山としての武器になるのではないかなと思っています」と、発した。 インサイドではカンダ マビカ サロモン(2年)が要となり得点やリバウンド、さらにはビッグマンへのディフェンスなどで奮起。その貢献度は大会を経るごとに大きくなっている。また、リバウンドに積極的にからむ松島慎弥や南川陸斗(ともに3年)らは大澤コーチがカギを握る選手として挙げている存在だ。ほかにも近畿大会では「セカンドユニットが大収穫というぐらい、すごく頑張っていました」と、インターハイに向けてはプラス要素も多い。 「一番は相手どうこうではなく、東山のバスケットをどれくらいできるのかが課題になると思うので、もう一つバージョンアップして、インターハイを迎えたいですね」と、大澤コーチ。今年も圧倒的な攻撃力は変わらない。昨年のインターハイ決勝で敗れたリベンジに向け、東山は着実にチームを強化しながら、新たな挑戦の夏を迎える。
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