能登半島地震から10カ月「地区防災計画」づくりはいま
富山テレビ放送
ライブBBT年間キャンペーン「命と未来をまもる」 能登半島地震発生から10カ月今回は地区の住民らが、自分たちの手で作る「地区防災計画」についてです。 先月27日、氷見市女良地区では、地区の自主防災会による防災訓練が行われました。 訓練には、地区の住人およそ70人が参加しました。 能登半島地震で、姿など多くの集落で被害が出た女良地区。 今回の訓練では、能登半島地震発生前に策定した「地区防災計画」を見直すことを目的に津波を想定した訓練を行いました。 *女良地区自主防災会 山口優会長 「(津波で)沿岸地区の人は山間部に逃げる、山間部の人は受け入れ態勢を作る訓練を行った。」 東日本大震災を教訓に地区の住民や事業者が災害時の対応を定める「地区防災計画」。 県内では去年7月の豪雨や能登半島地震を機に「地区防災計画」を策定したり、見直す動きが自治会や自主防災組織などで出てきています。 県によりますと、今年9月時点で県内の自治会や自主防災組織など8地区で「地区防災計画」の策定や見直しを行っています。 一方で、県内に2365ある自主防災組織のうち「地区防災計画」を策定しているのは、1.7%にとどまっていて、県はホームページで事例を紹介するなど地区防災計画の策定を促しています。 「地区防災計画」の見直しは、去年の7月の豪雨で、地区の360箇所以上で、地すべりが発生した砺波市栴檀山地区でも・・・ *栴檀山自治振興会 前田幸雄会長 「集落の前と後ろの県道が地すべりで通れない。電柱も倒れて電気も来ないという地区があった」 去年の豪雨を受けて、この地区では今年4月から「地区防災計画」の見直しを行っています。 見直しでは、地図に地すべりが発生した箇所に印を付け、土砂災害ハザードマップや住民が住む家の位置と照らし合わせ、危険箇所の洗い出しを行いました。 更にもともと地区に1か所しかなかった避難所を5か所に増やしたり、高齢者や要支援者の人がいる家を確認するなど、地区を上げて防災意識の向上に努めています。 *栴檀山自治振興会 前田幸雄会長 「今の世の中、公助を期待してもすぐ整う訳ではない。地域の中で、地域を守るということで今回の見直しを行った」 女良地区でも、地震後の津波を想定し、高齢者や体の不自由な人など要配慮者への支援や緊急時の連絡体制を見直すことにしました。 *女良地区自主防災会 山口優会長 「今、各地区から何名(避難者が)来たという連絡をもらった」 この日行われた防災訓練では、津波からの避難訓練以外にも、災害本部のテント設営や段ボールベッド、パーティションの設営訓練も行われました。 *女良地区自主防災会 山口優会長 「地区ごとにいろいろな課題があると思うので、課題を見つけ、どうするかという体制が必要だと思う。どこに危険箇所があるか、まとめているところで、避難時に避けるポイントが必要だと思う。」 住民自らが考え、地区を災害から守るために策定される「地区防災計画」。 住民同士が話し合い、地区における災害の危険を確認する必要があります。
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