高校卒業後に就職しましたが、やりたいことを見つけたので大学に行きたいです。今後の稼ぎに影響はあるでしょうか?
大学で学び直すデメリット
大学で学び直す年齢が遅いほど、生涯賃金は下がる可能性が高いでしょう。 厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」によれば、大卒者の年収が最も高くなるのは55~59歳で、60歳以降は年収が下がる傾向があります。そのため「大卒」として働く期間が短くなると、生涯賃金も下がると考えられます。 また、大学受験に失敗して浪人する、入学後に留年するといった場合、年間100万円以上の生活費や学費が追加で必要です。貯めたお金が足りなければ、やりたいことを達成する前に退学せざるをえないでしょう。
大学以外で学び直しができる可能性もある
スキルを得るために大学に行きたいと考えているなら、大学以外の選択肢でも将来的な稼ぎを上げることが可能です。 例えば、厚生労働省が支援する「教育訓練給付制度」では、要件を満たして講座を受講すると、受講費用の最大70%が支給されます。講座の内容はさまざまで、情報関係の資格から医療・福祉関連の資格まで幅広く対応しています。 医師や薬剤師など専門の大学で学んだ後に資格取得の権利が与えられる職種が「やりたいこと」なら大学に行く必要がありますが、「やりたいこと」の内容によっては、大学以外で学び直せるかもしれません。 ■大卒になれば生涯賃金は上がるが、年齢や留年のデメリットにも注意 高卒と大卒の年収をもとに、大学で学び直すメリットとデメリットについて紹介しました。 大卒は高卒に比べて生涯賃金が約3500万円高くなることがわかりました。私立大学に4年間通った場合の学費が約500万円であることから、高卒で就職して働き続けるよりも、大学に通い直した方が生涯賃金が上がる点は大きなメリットといえます。 もちろん大学に入学する年齢や浪人・留年などのデメリットもあるため、やりたいことは大学に行かないとできないのか、調べたうえで大学での学び直しを選択してください。 出典 厚生労働省 令和5年賃金構造基本統計調査 文部科学省 私立大学等の令和5年度入学者に係る学生納付金等調査結果 厚生労働省 教育訓練給付制度 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部