自民党山口県連に支出記載なし 2022年報告書、8支部分交付金50万円 専門家「規正法違反の可能性」
自民党山口県連の地域支部が県連からの交付金として政治資金収支報告書に記載しているのに、県連側に支出の記載がない事例が複数あることが中国新聞の取材で分かった。2022年の収支報告書で8支部分が確認され、総額は50万2600円。専門家は「政治資金規正法の不記載に当たる可能性がある」と指摘している。 【表】山口県連側の支出の記載がない金額
「支部側が記載欄誤り」と説明
県内に56ある地域支部のうち、該当するのは本郷(岩国市)新南陽(周南市)阿知須(山口市)東和(周防大島町)など8支部分。収支報告書に県連から1回あたり12万円~4千円を交付金として受け取ったと記載しているが、県連側の収支報告書にはこれらの支出の記載がない。 県連は8支部の交付金収入の記載について「いずれも支部分の党費収入。本来は収支報告書の党費収入欄に記載すべきところを、間違って交付金収入欄に記載している」と説明。記載欄が間違っているため各支部に収支報告書を訂正するよう指示しているとし「今後は記載に誤りがないよう周知を図っていく」としている。 政治とカネの問題に詳しい神戸学院大の上脇博之教授は「八つもの支部が同じ単純な間違いをしたとは考えにくい」と指摘する。自民党の地域支部への交付金が県連の収支報告書に記載されていないケースは鳥取など他県でもあるとした上で「氷山の一角の可能性があり、裏金作りを疑われかねない。疑惑を払拭するためにも、山口県連も客観的に証明できる資料を示して説明責任を果たすべきだ」としている。
中国新聞社