和食好きにも、ビストロ好きにも刺さる! 「Neki」西シェフとバーテンダー野村氏がタッグを組んだ大人ウケ◎な居酒屋
奥のカウンター席の前には、食材とともに、数種類のおばんざいが並ぶ。メニュー表にもお刺身、前菜、温菜、主菜などの文字が並び、和食料理店のような趣でもあるが、仕立ては和洋中さまざまだ。京都出身の西シェフが東京におばんざいを食べながらクラフト酒を味わえるお店が少なかったことに目をつけ、おばんざいをはじめとした和のもの、洋のもの、アジアンテイストのものを組み合わせたジャンルレスな居酒屋というコンセプトに至ったという。
鴨ハムきんぴらや山菜の天ぷらをつまみに、新感覚のタップカクテルで乾杯!
例えば日本の家庭料理としても定番のきんぴらは、たっぷりと鴨ハムがのったビストロ仕立てで供される。
鴨ハムは山椒などのスパイスやハーブ、塩でマリネして一晩寝かせた鴨を、皮目の脂を落とすように焼き、その後低温でじっくり1時間ほど火入れして作り上げた。牛蒡のきんぴらにはバルサミコのフルーティーな酸を利かせており、洋のエッセンスも感じられる。
ふきのとうやこごみ、タラの芽など、この時期ならではの山菜を使った天ぷらには、自家製の木の芽マヨネーズを添えている。味噌と卵黄を混ぜ合わせ、酒とみりんを少量加えた玉味噌に山椒の若葉である木の芽を加え、自家製のマヨネーズと合わせたソースだ。衣がふっくらと揚がったほろ苦い春の味覚に、クリーミーな木の芽マヨの香り高さが混ざり合う。
これらの料理に合わせたいのが、ビアタップを使い注ぐお店オリジナルのタップカクテルだ。「緑茶割り」は「ヘンドリックス」というジン、粕取り焼酎、「櫻井焙茶研究所」の緑茶を合わせたタップカクテルで、ジンのハーバルな香りと、華やかな渋みの緑茶がベストマッチ。新しい切り口でお酒の価値を引き出す、野村空人氏の手腕が光る。
春の美しさが詰め込まれた繊細で鮮やかな魚料理に、メスカルが利いたほうじ茶割りを
主菜で人気なのが、美しい春を詰め合わせたかのような一皿「かます大葉巻き焼き/焦がし昆布オイル」だ。この日は高知県産のかますを使用。かますは3枚におろして塩水で洗い、冷蔵庫で寝かしてから大葉で巻き込み、塩で味を調え、サラマンダー(高温の調理器具)で焼き上げている。