54歳専業主婦、年金は夫婦合わせて「17万円」の見込みです。もし夫が先に死亡したら、私の年金と「遺族年金」だけで生活できるでしょうか? 貯蓄は400万円ほどです
貯蓄400万円+遺族年金+妻の年金で生活できるか?
今回の事例で、子どもは成人しており、65歳から年金を受給し始めた後に夫が先に亡くなったと仮定して、妻1人となった後の毎月の年金額を試算します。まず遺族基礎年金ですが、子どもが成人しているので受給資格はありません。 次に遺族厚生年金です。夫婦2人分の年金が合わせて月額「17万円」だった場合、その内訳は「夫の老齢厚生年金3万4000円+夫婦の老齢基礎年金6万8000円(2024年4月の年金額を参照)×2人分」となり、夫が死亡した場合の遺族厚生年金は2万5500円(老齢厚生年金の4分の3相当額)です。 年金には「1人1年金」という原則があり、支給事由(老齢、障害、遺族)の異なる年金のうちいずれか1つを選択します。しかし専業主婦や自営業などで老齢基礎年金しかない人は、特例的に遺族厚生年金と合わせて受給できます。 今回の事例では「夫が亡くなった場合の遺族厚生年金2万5500円+妻の老齢基礎年金=9万3500円」が妻1人になった後、毎月もらえる年金額です。 総務省の「家計調査年報(家計収支編)2020年(令和4年)」によると、65歳以上の単身無職世帯の消費支出は1ヶ月あたり14万3139円です。年金額9万3500円との差額4万9639円の赤字を400万円の貯蓄から切り崩すとすると約80ヶ月、7年弱で使い切ることになり、生活の維持は厳しくなることが予想されます。
まとめ
夫婦2人から1人になると年金額は大きく変わります。また生前の職業などの条件により受給できる年金の額も異なります。万一のことは誰にでも起きる可能性があります。夫婦どちらか1人になることも踏まえて老後の資金計画を早めに立てることが大切です。 出典 日本年金機構 遺族年金 日本年金機構 令和6年4月分からの年金額等について 総務省 家計調査年報(家計収支編)2022年(令和4年) 執筆者:根本由佳 FP2級、中小企業診断士
ファイナンシャルフィールド編集部