不動産会社の経営者が教える! 選んではいけない「修繕積立金が不足するマンションの特徴」3選
物件探しの際、知っておくと助かるトピックをご紹介。『持ち家女子はじめます』(飛鳥新社)の著者であり、5000人超の女性たちの「幸せになれる家選び」をサポートしてきた「ことり不動産」代表の石岡茜さんに、絶対選んではいけない「修繕積立金が不足している物件」について教えてもらいました。修繕積立金が不足している物件はなぜNGなのか、どんな点に注意したらよいのかなど、タメになる情報満載です! ぜひ物件選びの参考にしてください。 【画像】不動産会社の経営者が教える、絶対選んではいけない「修繕積立金が不足するマンション」まとめはコチラ
――まず、基本的な質問ですが、積立修繕金について教えてください。 石岡: 分譲マンションの場合、マンションの住人(所有者)で結成した管理組合が主体となって、外壁、屋根、エレベーターなどの共用部分を維持管理・修繕していかなければなりません(管理会社に委託する場合も)。 安全で快適な居住環境を確保するために長期的な計画を立て、適切なタイミングで修繕工事を行うことが必要不可欠となるのです。 修繕工事の際には多額の費用が必要となりますが、一括で徴収することは住人(所有者)にとって大きな負担となります。そこで、将来予想される修繕工事のための費用を計画的に積み立てておくのです。それが修繕積立金です。 ここ数年は、建築資材等の高騰で修繕費が上昇していることから、積立金が不足するマンションが急増しています。物件を購入する際は、修繕積立金がどれくらい貯まっているか必ず確認しましょう。 修繕積立金が不足している「選んではいけない物件」について、下記に解説します。
NG1 修繕積立金が安すぎる物件
毎月支払わなければならない修繕積立金は、安ければ安いほどいいと思ってしまいがちですが、じつはそうではありません。 修繕積立金の徴収方法は主に2種類あり、1つ目を「段階増額積立方式」といいます。 新築マンションの場合、建物や設備の劣化が少なく大規模修繕にかかる費用が抑えられるため、また売主も早く売りたいことから、最初は少ない金額で設定されていることが多いです。 安いので一見いいように思えるのですが、築年数を経るごとに修繕積立金の金額が段階的に上がって負担額が増えていくので、それに備えた準備を個人でしておかなければならないというのがデメリットです。 2つ目は「均等積立方式」といい、数十年間単位で必要となる修繕費用を事前に見積もり、毎月の負担が均等になるように修繕積立金額を決める方法です。 初期の頃は「段階増額積立方式」より高く感じるかもしれませんが、長期的に支払う額が決まっていて、築年数に応じた価格の変動がない点は魅力といえそうです。 ただし、どちらの場合も建築資材や人件費などが高騰すると、過去に見積もっていた費用では足りず、修繕積立金が値上げされる可能性があることを心に留めておいてください。 修繕積立金の指標となるのは、国土交通省が定める「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」です。1㎡あたり200円が適正額とされており、たとえば50㎡のマンションであれば約1万円ということになります。 マンションの規模、仕様、築年数などでも変わってきますが、ひとつの目安として参考にしてください。