遂に稲作実装で米が力に!現実の米農家がゲームの稲作に見た「リアル」―プレイレポ『Farming Simulator 25』
そんなこんなで、ゲーム内で一連の作業を1人でやった場合、朝の6時から始めて終わったのは午後の15時近く。実時間では約1時間かかりました。現実でも稲刈りは、早くなったとはいえ2人がかりで、今回ゲーム内でかかった時間ほどを要します。この辺もやたらと現実的でした……。
更には店から苗を買うのではなく、育苗も専用のビニールハウスでプレイヤーが行うことが可能です。ただしここは水さえ用意すれば後は自動で苗が育つという、現実から考えればあまりにも楽な仕様になっています。
全体的に今作の稲作を評価すると、育てて売ることを考えれば品種の要素がないのは残念ですが、現代の稲作の疑似体験という点においては、米農家から見てもかなりリアリスティックでした。現実ではもう少し泥臭い作業などもありますが、あくまでゲームであると考えればそこまでリアリスティックにやる必要はないと思うので良いでしょう。(個人的には現実のように苗をあぜに配置してもっと簡単に補充できると良かったのですが)
思う存分農作業を楽しもう
もちろん今作は稲作専門のシミュレータというわけではなく、前作と同じく他の作物や一連の農作業が体験できるのも変わらずです。営農をやってみようと思うなら休耕期はアルバイトに手を出してみるのも良いでしょう。
更に前作から続き、マルチプレイにも対応しており、最大6人でプレイ可能です。筆者はオンラインではハウス栽培のキノコ農家をやっています。集まって大規模な農場をやってもいいですが、筆者の参加しているサーバーは全員バラバラに作物を育てています。林業に手を出して破産したフレンドもいるとかいないとか。
本作でついに米農家として『Farming Simulator』シリーズにおいてその経験を活かすことができたのは、筆者的にはかなり満足です。
前回の記事でも『Farming Simulator』のタイトルに嘘偽りはないと断言しましたが、今作においても実際に稲作を(その部分の)チュートリアルなしで米農家がプレイしてみて、ゲーム的なルールの要素が強い土地の造成を除き、農機具をアシストなしでそのまま扱え、収穫にまで至れたという点では本作品の持つタイトルに改めて偽りはないでしょう。今回、専門分野である稲作においてもその結論に至ったことで更に言葉の厚みが増した気はします。