投票しないことも政治参加に?衆院選投票率は戦後3番目の低さ…選挙に行かない理由とは「政治に関心がないわけではない」「投票だけが大事ではない」
10月27日に行われた衆議院選挙では、自民党・公明党の連立与党が過半数割れを起こし、立憲民主党や国民民主党といった野党が大きく議席を伸ばした。30年ぶりの少数与党という事態に進んだものの、投票率といえば戦後3番目に低い53.85%に留まった。一方、日本時間11月6日に行われたアメリカの大統領選挙は、共和党のトランプ氏が民主党のハリス氏に圧勝。こちらは逆に戦後3番目に高い63.58%にもなった。 【映像】投票行かない理由アンケート 2位は「自分の一票で社会が変わらない」 日本では政治への期待感の低下や関心の薄さが、そのまま投票率につながっていると言われる中、なぜここまで下がったのか、また投票率を上げるにはどうすればいいのか。さらに投票率は上がるべきなのか。『ABEMA Prime』では様々な角度から議論した。
■アメリカの大統領選挙、盛り上がったのはなぜ?
アメリカ大統領選挙の投票率が戦後3番目に高かった。その理由について、東京大学公共政策大学院教授の鈴木一人氏は「アメリカは常に不満と不安がいっぱいある国だ。バイデン政権の政策、特に物価問題が大きい。物価が高くなれば生活が苦しくなる。これについて何とかしてほしいと思う人が多かった」と分析した。また、「バイデン大統領が出馬をやめてハリス副大統領が候補者となったことで、新しい可能性を感じた人も多かった。昔からの民主党支持者も、今回は共和党のトランプ氏に期待を寄せた。特に焦点となったのはインフレと移民の問題であり、トランプ氏がこれらに対する答えを出してくれると信じる人が多かった」と、わかりやすい変化が期待されたことが投票率アップにつながったと語った。 有名人が投票の呼びかけをしていた影響はどうだったか。「影響はあったと思う。ただ、民主党が選挙前に有名人を集めてコンサートを行ったのは、むしろマイナスに働いた。生活が苦しいのに、政党がエンターテイメントに力を入れている姿勢は反感を買った」と、多くの国民の関心を高めるためのエンタメ化は、諸刃の剣になることも述べた。