「嫌なんです…」1年前、令和ロマンは不満そうだった…“M-1優勝会見すら異例”高比良くるまが記者に「できたーっ!」2024年M-1が“神回”になるまで
「まず、サンケイスポーツの……」 「まだ始まってないから! 勝手に始めないで」 高比良くるまがボケると、松井ケムリはすかさずたしなめるようにツッコんだ。 【現場写真】「1年前と喜び方が全然違う…」令和ロマン1年前の優勝と比較写真&「こんな令和ロマン見たことある?」野球をするくるま、などすべて見る 優勝会見の席でのことだ。くるまは椅子に座るなり、誰も手を上げていないのにそうとぼけて笑いを誘った。恒例の記者いじりである。 今年のM-1は令和ロマンの連覇で幕を閉じた。会見は実に令和ロマンらしく、賑やかなものになった。
「ないんかい!」意外と盛り上がらない会見
お笑い賞レースの優勝会見は意外と盛り上がらない――。そんな印象がある。 司会の人が「質問のある方は挙手をお願いします」と振っても、まったく手が上がらず、芸人が思わず「ないんかい!」とツッコむシーンを見たことさえある。 なぜ、盛り上がらないのか。原因は2つある。1つは芸人がいつになく受け身になってしまうせいだ。賞レースの優勝会見は、おそらく芸人がもっとも「仕事」をしなくていい場なのだ。なにせ、ついさっき、芸人としてもっとも大きな仕事をし終えたばかりなのだ。会見ぐらいはサービスする側ではなく、施しを受ける側に回りたいと思うのが人情だし、そういうものだろう。 もう1つは記者の怠惰だ。芸人の晴の場を演出しようという意識が足りないのだと思う。しかも、相手が芸人だと思うと、記者側もどこか甘えてしまうのかもしれない。こちらが何かしなくても、芸人なら何とかしてくれるだろう、と。
「嫌なんです」じつは不満そうだった
ところが、昨年の令和ロマンの優勝会見は違った。あんなに盛り上がった優勝会見を見たのは初めてのことだった。 まるでマエセツや営業に登場した芸人のようにくるまのテンションがのっけから異様に高く、記者の方を煽ってくるものだから、次から次へと複数人が手を上げている状態が続き、私もM-1の優勝会見で初めて質問の順番が回ってこなかった。 そう、昨年のくるまは会見時も「仕事着」をまとったままだった。 そこへいくと今年の会見も盛り上がったとはいえ、昨年ほどの異様さはなかった。 前大会後、くるまは会見でこううなだれていた。 「僕らがトップバッターで(最終決戦に)残っちゃったんで。本当は、普段、他のみなさんもめっちゃウケてるんですけど、今日はなんか順番とかがうまくいかなくて……」 昨年の大会は中盤、後半と、大会が進むにつれ尻すぼみになった感があった。本来、芸人がそこに責任を感じる必要はないのだが、くるまはこう言った。 「全体が盛り上がらないと嫌なんです。別にまわりの人のためとか、やさしいとかじゃないんです。エゴがでかいんです。たとえば、他が全部すべって優勝してもまったく嬉しくないし、嫌なんです」 だからこそ、会見でも自らピエロにならずにはいられなかったのだ。せめて、会見まで仕事を完遂しよう、と。
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