どんどん厳しい道に行きたい――西野七瀬が乃木坂46卒業後に身につけた「変わらないといけない」という意識
落ち込むことはほとんどないんです
西野に自己肯定感について聞くと、「低くもなく高くもなく、だと思います」と答える。そうした状態を維持する秘訣は、動物やゲーム実況の動画を見たり、お笑いのテレビ番組を見たりすることだという。 「落ち込むことはほとんどないんです。好きなものに触れている時間がかなり多いからかな、って」
ただ、そうした精神的な安定感が出てきたのは最近のことだ。 「25歳ぐらいから本来の自分が出てきた気がします。占いが好きで見るんですけど、『双子座は社交的だ』と書いてあっても、以前はあんまりピンときてなくて。でも、25歳になって、自分が変わって、これが本来持っていたものなのかな、とか」 西野を変えた役者という仕事。それでも、「乃木坂46」というかつての看板は背負っているという。 「今もアイドルのように思われることはありますし、完全に『アイドル』という印象は抜けてはないのかなって思っています。ときどきかわいらしい感じのキャラを求められたときに、『やばい、どうしよう、できない』って焦ったりもしますね」 だが、今年2月から公演開始した劇団☆新感線の舞台『月影花之丞大逆転』での演技は堂々たるものだった。アイドル的な要素もある役柄を正面から受け止めてコメディーを演じ、会場を沸かせていた。
3月からAmazonプライムで配信開始した『ホットママ』では、突然母親になる女性を主演。主人公のシチュエーションが次々と変わっていくなかで、その気持ちの変化を見事に演じきった。 「ふだんからそんなに表情豊かなタイプじゃないし、リアクションもあんまり激しくないんです。でも、あの役は振り回されて、表情が豊かであればあるほど、作品全体がすごく良くなる気がしました。だから、『どういうふうに映っていてもいいや』って、割り切れてできたところもありました」
今月公開の映画『孤狼の血 LEVEL2』にも出演。『ホットママ』と同時期に撮影し、入れ子状態の進行だった。『ホットママ』は東京で撮り、『孤狼~』は広島ロケと、往復を繰り返した。さらに『孤狼~』で演じるのは、ヤクザの世界に翻弄される女性。作品の世界観もまるで異なる。 「大変でしたけど、『大変だったなー』って感じです。『もう二度としたくない』みたいな感じではなくて、『ああ、乗り越えたな』って。その時期は、友達に会って、脱出ゲームで遊んだりして、それが息抜きになってました。昔は休みは絶対家にいたいし、誰とも会いたくないタイプだったんです。でも、今は休みこそ友達と会いたい。会ってしゃべるだけで気持ちもほぐれるので」