医学博士が解説!高血圧の改善に向けて「絶対やってはいけない」こととは?ストレスで血圧が上がる?悪循環から脱却する方法とは
11月8日放送のCBCラジオ『北野誠のズバリ』には、脈拍が早く高血圧にも悩むリスナーから相談が寄せられました。この質問に、心療内科本郷赤門前クリニック院長で医学博士の吉田たかよし先生が答えますが、普段心当たりのありそうなことに「絶対やってはいけない」と警告します。 【動画】今すぐ改善!高血圧気味の方は必見!?薬学博士に聞く"お昼にオススメの栄養素と食材"とは?【0分23秒~】
ストレスから高血圧に
まずは相談の詳しい内容です。 「いま血圧が高く、脈拍が速くて心配です。1ヶ月前に突然、他人とのトラブルになって怖くて心配しすぎてストレスのせいなのか、脈が上がる感覚に襲われました。そのトラブルは一見落着し、心配のたねは消えたのですが、高血圧は今も続いていて、高いときは上が180、下が100。脈拍も90という時があります。 循環器内科ではレントゲンも心電図も目立った異常はありませんでした。頓服として、向精神薬をもらいましたが、飲むと眠くなって仕事にならないのであまり飲みません。これは放っておいても自然に治るのでしょうか?それとも次の一手を打った方がいいのでしょうか?」(55歳・男性)
危険な時は高血圧に
そもそもストレスで脈や血圧が上がることはあるのでしょうか? 吉田先生「あります。ストレスでアドレナリンやコルチゾールというストレスホルモンが出て、その作用で心拍数も血圧も上がる仕組みになっています。血圧についてはストレス誘発性高血圧といいます。 これは人類が生き延びるのによくできた仕組みで、敵に襲われたら敵に勝つために筋肉にたくさん血液を送ってパワーアップさせるわけです。 ただ無理をして血液をたくさん送っているので、長く続くと血管は動脈硬化を起こすし、心臓にも無理がかかって心臓病になります」
中高年は高血圧になりやすい
この男性は心配のたねがなくなっても症状が残っているとのこと。どうしてなのでしょう? 吉田先生「心配事で血圧が上がって、それがなくなった後も高血圧が残ることはよくあることです。原因として多いのは、身体が高血圧に慣れてしまって、元の血圧に戻るのに時間がかかるということです。 どうしてかというと、中高年になると大なり小なり動脈硬化を起こしていて、若い頃と比べて、血液が通りにくくなっていて、筋肉も脳ももっとたくさん血液が欲しいと感じているわけです。その状態で心配事でストレス誘発性高血圧が起ったら、若い頃みたいにたくさん血液がやってきた。あ、これは心地いいということで、心配事がなくなっても高血圧を残そうとする。高血圧は悪循環しやすいです。 通常は数週間以内に血圧が元に戻ることが多いですが、ストレスが長く続いた場合は、長い間高血圧が残る傾向があって、元に戻るのに数か月かかることもあります」