山田陽翔、田中晴也、前田悠伍… 主役は誰か? 夏の甲子園
6日に開幕する第104回全国高校野球選手権大会は投打に注目選手が集まった。甲子園で夏の主役に躍り出るのは果たして誰か。 ◇山田陽翔、田中晴也らが本格派 最終学年を迎えた右の本格派に好投手が多い。注目は近江(滋賀)の山田陽翔(はると)の投げっぷり。直球は最速149キロで、同じ腕の振りから繰り出すスプリットやツーシームも切れがある。前回大会は4強、今春のセンバツではチームを準優勝に導き、聖地の経験も豊富だ。 球威では日本文理(新潟)の田中晴也も負けていない。186センチ、92キロの恵まれた体格から最速150キロの直球で押す。連覇を目指す智弁和歌山の武元一輝は187センチの長身で、スケールの大きさが魅力だ。富島(宮崎)の日高暖己(あつみ)も最速148キロを誇る。 左腕では、直球とスライダーが切れる京都国際の森下瑠大(りゅうだい)に注目。センバツはチームで新型コロナウイルス陽性者が相次いだため辞退し、甲子園のマウンドは4強入りした昨夏以来となる。本調子ではなかった京都大会からどこまで仕上げられるか。 鳴門(徳島)の冨田遼弥は右打者の懐をえぐる直球が持ち味だ。2年生では春夏連覇を狙う大阪桐蔭・前田悠伍が楽しみな存在。直球とチェンジアップは一級品だ。スライダーが切れる横浜(神奈川)の杉山遥希は1年生だった昨夏に続くエースナンバーだ。 ◇打者は大阪桐蔭勢に逸材が集まる 打者は大阪桐蔭勢に逸材がそろう。松尾汐恩(しおん)は高校通算本塁打が30本を超えるパンチ力に加え、コースを問わず対応できる世代屈指の右打者。捕手らしく配球の読みも巧みだ。センバツで8打席連続安打を放った丸山一喜、脚力も光る海老根優大と組む中軸は迫力満点だ。 高松商(香川)の浅野翔吾は170センチ、86キロのどっしりした体格で、高校通算64本塁打のスイッチヒッター。50メートル走5秒9、遠投110メートルと身体能力も高い。 九州国際大付(福岡)の佐倉俠史朗は2年生ながらセンバツでも注目された左の長距離打者。智弁和歌山の渡部海は昨夏の決勝でも本塁打を放った右の強打者だ。九州学院(熊本)の村上慶太は190センチ、94キロの体格を誇る左打者で、パワーはヤクルトの4番である兄・宗隆に引けを取らない。 山田、田中、森下らは打者としても評判が高く、「二刀流」の活躍にも期待がかかる。【石川裕士】