大谷翔平のリーグMVP受賞は確実? 「史上初」「○年ぶり」金字塔多数の異次元のシーズンを振り返る
2024年シーズンのメジャーリーグMVPが21日(日本時間22日)に発表される。両リーグそれぞれ受賞が有力視されているのが、アメリカン・リーグのアーロン・ジャッジと、ナショナル・リーグの大谷翔平。両リーグの本塁打王が大差での受賞となるのではないかと予想されている。日本のプロ野球ともまた少し違ったアメリカならではの選出基準を読み解きながら、今シーズンの大谷の「記録」にも「記憶」にも残る偉業を改めて振り返る。 (文=花田雪、写真=AP/アフロ)
メジャーリーグMVPが“確実視”される大谷翔平
現地時間11月21日(日本時間22日)に今季のメジャーリーグMVP(両リーグ各1名)が発表される。日米で注目を集めているのは、やはり「大谷翔平は自身3度目のMVPを獲るのか」だろう。 結論から言ってしまえば、その可能性は非常に高い。11日に発表されているナショナル・リーグMVPの最終候補は大谷に加え、ニューヨーク・メッツのフランシスコ・リンドーア、アリゾナ・ダイヤモンドバックスのケテル・マルテの計3人。ただし、この発表はあくまでもすでに終了している投票結果を受けての「上位3人」であり、この最終候補3人を対象に改めて投票が行われるわけではない。 MVPを選出するのは全米野球記者協会に所属する記者30人。意外と知られていないが投票自体はすでにレギュラーシーズン終了後に済んでおり、ポストシーズンでの活躍が加味されることはない。 それらを踏まえて、大谷のMVP受賞がなぜ「確実視」されているのかを解説していきたい。最大にして唯一の理由は、今季の大谷が残した他を圧倒する驚異的なスタッツだ。
リーグ10冠を達成。主要打撃タイトルは本塁打と打点
ロサンゼルス・エンゼルスから、同じくロサンゼルスを本拠地とするロサンゼルス・ドジャースへプロスポーツ史上最高額となる10年総額7億ドルで加入した大谷は、レギュラーシーズンを通して159試合に出場し、以下のような成績を残している。 打率 .310(リーグ2位) 本塁打 54本(リーグ1位) 打点 130(リーグ1位) 得点 134(メジャー1位) 盗塁 59(リーグ2位) 出塁率 .390(リーグ1位) 長打率 .646(リーグ1位) OPS(出塁率+長打率) 1.036(リーグ1位) 長打数99本(メジャー1位) 塁打 411(メジャー1位) ISO .336(リーグ1位)※ 本塁打率 11.78(リーグ1位) ※ISO=長打率-打率で表す指標で、打者の純粋な長打力を示す 主要打撃タイトルは本塁打と打点の2冠、打率、盗塁もリーグ2位、それ以外の指標も合わせると実にリーグ10冠を達成している。 また、100年を超えるメジャーリーグの歴史で史上初めてシーズン「50‐50(50本塁打、50盗塁)」を達成し、本塁打と盗塁の両項目でリーグ2位以内となったのは実に116年ぶり。両リーグ本塁打王は史上4人目、シーズン400塁打超えは2001年以来、23年ぶりなど、「史上初」「○年ぶり」といった金字塔を多数打ち立てている。 少なくとも、今季のナ・リーグで大谷に匹敵する、もっと言えば追随するような打撃スタッツを残した野手はいない。アメリカン・リーグであれば大谷を超えるシーズン58本塁打、OPS1.159をマークしたアーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)が存在するが、ジャッジもまた、ア・リーグMVP受賞が確実視されている。