早大・山県が頭脳的併殺 明大・宗山とのドラフト目玉対決で魅せる／東京六大学
東京六大学野球秋季リーグ第6週第1日（19日、早大3－2明大、神宮）1回戦が行われ、2季連続優勝を目指す早大は、勝ち点3で首位に並ぶ明大を3－2で下した。プロ志望届を提出し、24日のドラフト会議で指名を待つ山県秀内野手（4年）が「2番・遊撃」で先発。九回、相手の隙を見逃さない状況判断に優れた送球でオーバーランした走者を刺し、1点差勝利に貢献。ドラフトの目玉といわれる明大・宗山塁内野手（4年）との〝遊撃手対決〟で、野球偏差値の高さを見せた。 覇権を懸けた早明の直接対決第1ラウンド。神宮には今秋リーグ戦最多の1万7000人が集結した。1点を巡る激しい攻防は、早大の遊撃手・山県の好判断で終止符が打たれた。 「（二塁の）走者が生還したい場面だと思った。（投手の）田和の（一塁）ベースカバーが遅れた。それも見て、一塁より三塁のほうが絶対アウトになるかなと思った」 山県は試合後、勝負を分けた一瞬の判断を〝解説〟した。野球ファンをうならせたプレーは、3－2の九回1死一、二塁に生まれた。明大・光弘の一ゴロを捕球した早大の一塁手・前田は二塁へ送球し、封殺（ツーアウト）。送球を受けた山県は、投手・田和の一塁ベースカバーが遅れたと判断し、3－6－1の併殺を諦め、瞬時に切り替えた。 狙いに定めたのは、二塁から同点のホームを狙って三塁を回っていた明大の二塁走者、山内陽だ。山県はすぐさま三塁へ送球し、慌てて戻った山内陽を刺して試合終了。状況判断に優れたプレーで1点差勝利を呼び込み「ホッとしたというか、あそこで（相手の攻撃を）切れたのが一番よかった」と笑った。 今春、大学日本代表に選ばれた山県は、既にプロ志望届を提出し、東京・早大学院高出身者としては1958年に中日に入団し、通算189本塁打の森徹以来、66年ぶり2人目のプロ野球界入りを目指す。今秋ドラフト1位候補の明大・宗山とは同じ遊撃を守るライバル関係だ。 「守備の安定感というのは負けたくない。自分は挑戦者としてやっている。これからは宗山を抜けるように」
2季連続48度目の優勝へ、価値ある1勝を手にした。「とにかく明治に2連勝というのをずっと意識したい」。山県の堅守がチームを頂点へと導く。（児嶋基）
