「酒井宏樹さんにバチバチにやられた」。“本物のプレー強度”を体感し、意識がさらに変わった神村学園の名和田我空「守備が苦手という印象を払拭したい」
誰よりも戦い、誰よりも巧い選手に
17日に高校選抜の一員として臨んだネクストジェネレーションマッチはベンチ外となったが、翌日の練習試合をこなしてチームに合流。コンディションが万全ではなく、相手からのマークが強まっていなかでも、結果を残した。 さらに、何より今回の九州大会で素晴らしかったのが、守備の強度だ。昨秋のU-17ワールドカップでは森山佳郎監督(現・ベガルタ仙台監督)からインテンシティの課題を問われ、スタメンで起用されたのは2試合だけ。出場機会が訪れなかったグループステージ第2節のアルゼンチン戦では、相手の凄まじい強度を間近で示され、世界で戦うためにはどのレベルで体現しなければいけないかを、これでもかと見せつけられた。 「ワールドカップを経験して、自分の力不足を痛感した。自分に足りない部分も明確に分かったし、それがまだ自分のウイークポイントでもある」 課題を認識している一方で、着実に変化は見られている。今大会では泥臭くボールを追う姿が目につき、ユニホームを汚しながら奪いに行くシーンが何度もあった。 泥臭いプレーが少しずつできるようになっているが、選手権後にプロの世界を体験できたことも大きな理由の一つ。浦和レッズと横浜F・マリノスの練習に行き、プロのプレー強度から多くのことを学んだ。 「(キューウェル監督から)攻撃の選手はゴールが取れないと意味がないと言われたし、強度の部分でもボールが少し離れたら、深いスライディングをバチンとくらって、プロの洗礼を浴びました」 そして、浦和では酒井宏樹とマッチアップ。日本を代表するSBとの対戦からも多くのことを得た。 「レッズでは酒井宏樹さんにバチバチにやられた。ボールを離したタイミングで身体が出てくるなと思って準備をしたら、身体ごと持っていかれて(苦笑)。左サイドでプレーしたんですけど、ボールを止めた時に守備の距離感が全く違っていて、ボディフェイントを使って抜こうとしたけど、全然ブレないんです。ブレないし、ゴツいし。そういう状況で自分はまだ綺麗にやろうとしているので、剥がしてシュートまで速く持って行く力をつけないといけない」 多くの刺激を受けた名和田はさらなる成長を目ざし、高いモチベーションで新シーズンに挑む。 「守備が苦手という印象を払拭したい。前線でボールを奪うところや最後までボールをタッチライン際まで追ったり、そういうがむしゃらさが自分にはまだまだ足りないので、誰よりも戦って、誰よりも巧いと言われる選手になりたい」 強くて、巧い選手になるべく、神村学園の大黒柱は現状に満足せずに、上だけを見てボールを追い続ける。 取材・文●松尾祐希(サッカーライター)
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