山口大学が「ひと・まち未来共創学環」2025年春に新設…文理の枠組み超え学部連携し新たな人材育成へ
山口大は文理の枠組みを超えた分野の知識を習得する「ひと・まち未来共創学環」を来年4月に新設する。学部に相当する組織で、同様の改編は10年ぶり。人口減少や中心市街地の空洞化、慢性的な人手不足といった地域課題の解決と新たな価値の創出を担う人材の育成を目指す。(小林隼) 【写真】NYタイムズ「旅先52選」山口市、全県への経済効果90億円
学環は既存の学部が連携して分野横断的な教育課程を提供し、入学者の総定員の拡大や新たな教員の確保、専門施設の設置を条件としないのが特徴。山口大は9月24日付で文部科学省の設置認可を受けた。国立大では岐阜、和歌山、熊本、茨城に続き、同時期に開設する山形大と並んで全国5例目という。
デジタル技術の発展に伴う社会の変革や地域住民の価値観の多様化が進んでいることを踏まえ、山口大の新学環では教育、経済、国際総合科、理の計4学部などに所属する教員が講義を担う。行動心理や経済情勢、データ分析の理論を学び、自治体や企業、NPO法人を通じた実地研修も予定している。募集定員の40人は他学部を減らして充て、卒業時は学士の学位が与えられる。
同大の学部新設は2015年に誕生した国際総合科学部以来で、10番目となる。谷沢幸生学長は記者会見で「社会課題を発見して解決に導く幅広い能力を身につけた人材を育てたい」と意気込みを語った。