79年前の現実 少年が遺した記録“戦火の日記”【バンキシャ!】
隆さんが遺してくれた、膨大な日記。上田さんには、これを読んでもらいたい人がいた。隆さんの親族で、中学生の琉詩(るんた)さんと紗翔(さやか)さん。2人にとって隆さんは、おばあちゃんのお兄さんにあたる。 上田紀子さん 「琉詩とさやちゃんは初めて見るから、『どう思うかな』と思って。1回見てみて」 15歳の2人。13歳だった隆さんとは同年代だ。
上田紀子さん 「どう思う?」 79年前の戦時下の暮らしに、うまく言葉が見つからない。 すると、琉詩さんが「『空襲2回』とか。『今日も朝から空襲2回』とか」と話した。 それは1945年7月、商船学校の船が攻撃を受けた日の日記。 琉詩さん 「『今日昼までに警報2回』とか。ずっと空襲がこの時はあったのかな」 紗翔さん 「ゆっくり寝られへんな」 隆さんの親族 「この辺は空襲2回だけど、(7月)28日は4回」 「1日の間に4回、空襲がくる。避難する感じかな」 朝も昼も夜も空襲におびえ続ける毎日。隆さんが見た現実を追体験していく。 紗翔さんが気づいたのは、「買うより工夫」「欲しがりません 勝つまでは」「学校でも同じことを習った」 学校で習った“あの時代”を、隆さんは生きていた。 ──信じられる?「国のためなら自分のほしいものを我慢」という生活 紗翔さん 「いや、考えられない」 日記を読み終えて、感じたこと。紗翔さんは、「好きなものは買ってもらえて、ごはんも好きなものおなかいっぱい食べられて、いま当たり前に過ごしている生活は幸せなことで、絶対に当たり前だと思ってはいけない」 (8月11日放送『真相報道バンキシャ!』より)